犬の拾い食いをやめさせる方法は?拾い食いのリスクと対策を解説
愛犬の問題行動として、多くの飼い主さんを悩ませる「拾い食い」。
「拾い食い」は愛犬の体調不良の原因になり、ときには命にかかわることもある非常に危険な行動です。
飼い主さんは愛犬の拾い食いを放置せず、一刻も早くやめさせて大切な愛犬の命や健康を守ってあげましょう。
そこで今回は、「犬が拾い食いをする理由」や「拾い食いのリスク」、「拾い食いをやめさせる方法」について解説します。
犬が拾い食いをする理由
お散歩中の愛犬が、道に落ちているさまざまな「モノ」を食べてしまう拾い食い。
愛犬の拾い食いを防ぐため、「お散歩のときは常に愛犬の動きに目を光らせている」という飼い主さんも多いかもしれません。
では、犬はなぜ拾い食いをするのでしょうか。
犬が拾い食いをする理由は、それが「犬本来の自然な行動だから」です。
犬はもともと野生で暮らしていたため、生きるための本能的な欲求として見つけたものを急いで食べようとします。
また強い好奇心が備わっている犬は、「落ちている気になるモノを、口に入れて確認したい」という衝動を抑えることができません。
そのため犬は、食べ物だけでなく葉っぱや草、虫やゴミなど何でも拾い食いしてしまうのです。
しかし道に落ちているモノを犬が飲み込んでしまうと、体調不良や命の危険もあるため拾い食いは早急にやめさせなければいけません。
次は、犬の拾い食いにはどのようなリスクがあるのか見ていきましょう。
犬の拾い食いのリスク
拾い食いは犬本来の自然な行動とはいえ非常にリスクが高く、愛犬の命や健康を脅かすことも。
犬の拾い食いによるリスクには、以下のようなものがあります。
尖ったモノで消化器が傷つく
拾い食いによるリスクのひとつに挙げられるのは、犬の消化器が傷ついてしまうこと。
道には木の枝や串や爪楊枝のほか、鳥や魚の骨など、あらゆる先端の尖った異物が落ちています。
これらの尖ったモノを愛犬が拾い食いしてしまい、消化器を傷つけるケースは少なくありません。
その結果、外科手術が必要になるなど愛犬に苦痛を与えるほか、命に危険が及ぶこともあるのです。
人間の食べ物で中毒症状
犬が人間の食べ物を拾い食いして中毒を起こす、というケースもないとはいえません。
人がふだん口にしている食べ物でも、犬が食べると中毒症状を引き起こす食材は多いもの。
以下は、犬が食べると中毒症状を起こす食べ物の例です。
- チョコレート
- マカデミアナッツ
- ぶどう、レーズン
- 玉ネギ、にんにく、ネギ類の野菜
- アボカド
上記の食べ物などを犬が拾い食いして中毒になると下痢・嘔吐などを引き起こし、重症のケースでは命に危険が及ぶことも。
また犬のお散歩中、道に腐敗した食べ物が落ちていることもあるので油断はできません。
毒物
犬の拾い食いによるリスクには、「毒物」を口にしてしまうことも挙げられます。
愛犬が毎日お散歩する道に、除草剤や農薬などが付着した植物や、タバコなどの「毒物」が落ちていることも。
これらの毒性の強いものを犬が拾い食いすると、命の危険にもつながりかねません。
上記のようにリスクの高い愛犬の拾い食いは、適切な対策をとって一刻も早くやめさせたいですね。
次は、犬の拾い食いをやめさせる方法について見ていきましょう。
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犬の拾い食いをやめさせる方法
犬の命の危険もある拾い食いをやめさせることができるのは、飼い主さんだけです。
飼い主さんは以下のような「拾い食いをやめさせる方法」で愛犬の健康を守りましょう。
「ちょうだい」の、しつけ
愛犬に拾い食いをやめさせる方法として効果が期待できるのは、「ちょうだい」のしつけです。
「ちょうだい」のしつけが上手くできると、愛犬が拾い食いしたモノを飲み込まず口から出してくれるようになります。
「ちょうだい」のトレーニングは、まず自宅で根気よく練習を重ねることが大切。
練習方法はとてもシンプルで、愛犬がオモチャなどをくわえたらオヤツを見せながら「ちょうだい」と優しく声をかけて離させるだけです。
愛犬が上手にオモチャを離すことができたら、オヤツをあげて思いっきり褒めてあげましょう。
また「ちょうだい」の練習は愛犬が飽きてしまわないように、オモチャのバリエーションを増やして行うのがおすすめです。
未然に防ぐ
愛犬の拾い食いをやめさせる方法として、飼い主さんが未然に防ぐことも大切です。
飼い主さんは愛犬のお散歩中に以下のように行動し、拾い食いを予防しましょう。
- 愛犬をノーリードで歩かせない
- 拾い食いしそうなモノが落ちていても見えない場所(植え込みなど)には近づかない
- 飼い主さんが愛犬の周辺に目を光らせ、拾い食いしそうなモノがあれば避けて歩く
- 夜の散歩の際には周囲を確認しやすいようにライトで照らす
ハーネスより首輪
愛犬の拾い食いをやめさせたい場合、ハーネスより首輪にすることもおすすめの方法です。
犬が自身の力で引っ張りやすいハーネスと比べると、首輪のほうが拾い食いを防ぎやすくなります。
ただし鼻ペチャ犬(短頭種)などは呼吸器に負担がかかりやすいため、首輪を装着して強く引っ張ることはやめましょう。
拾い食い防止の口輪
愛犬の拾い食いを物理的にやめさせるために「拾い食い防止の口輪」を使用する、という方法もあります。
愛犬の性質や環境などにより、飼い主さんの努力だけでは拾い食いを防ぐことができないこともあるでしょう。
愛犬の命を守るためにやむを得ない場合は、お散歩時だけ口輪を使うという選択肢もあります。
また、拾い食いしたモノを取り上げようとした際に唸ったり噛みついたりする愛犬のしつけは、トレーナーなどの専門家に相談することも検討しましょう。
愛犬の拾い食いは適切な方法でやめさせよう
拾い食いは愛犬の命に危険が及ぶこともあるため、飼い主さんにとって非常に悩ましい問題です。
学習能力が高い犬は美味しいモノを拾い食いした経験があると、飼い主さんの目を盗んで何度も繰り返そうとします。
飼い主さんは、子犬時から愛犬の拾い食いの予防やしつけをしっかりと行い、やめさせるのが難しい場合はトレーナーなどの専門家に相談してみましょう。