猫は秋刀魚(サンマ)を食べても平気?注意すべきポイントは?
秋の味覚として代表的な魚である秋刀魚(サンマ)。
とくに旬である8月末~10月は、一年でもっとも脂の乗った状態を楽しむことができます。
そんなサンマですが、人間以外の動物に食べさせても問題はないのでしょうか?
そこで今回は「猫はサンマを食べても平気なのか」について解説します。
「愛猫にも旬のサンマを食べさせてあげたい」「どのような部分に注意すべきか知りたい」という方はぜひ最後までご覧ください。
猫は秋刀魚(サンマ)を食べても平気?
「猫にサンマを食べさせても大丈夫?」という疑問をよく目にします。
この疑問について結論から言うと、猫にサンマを食べさせても問題ありません。
サンマには、以下のような猫の体に良い影響を与える栄養素が豊富に含まれています。
【サンマに含まれている代表的な栄養素】
・DHA(ドコサヘキサエン酸)
体内の免疫反応を調整、脂肪燃焼、高血圧や皮膚炎の予防効果 など
・EPA(エイコサペンタエン酸)
抗炎症作用、抗凝血作用や血管拡張によって血圧の上昇を抑える効果 など
・カルシウム
健康的な骨の発育と維持、筋肉の収縮、血液の凝固作用 など
・鉄分
全身に酸素の供給をする、活性酸素の除去、免疫機能の維持 など
・ビタミン類
ビタミンA:目の調子を整える(白内障の予防などに効果的)
ビタミンD:カルシウムの吸収をスムーズにする(骨粗しょう症などの予防に効果的)
ビタミンE:抗酸化作用(細胞の老化防止や新陳代謝を維持する効果が期待できる)
・タウリン
血圧や血糖値を正常にコントロールする、肝臓の解毒、疲労回復、肥満抑制効果 など
このように、サンマには数多くの栄養素が含まれており、猫に食べさせても問題のない食材です。
ただし、猫にサンマを与えるうえで注意すべきポイントは複数あります。
次章で具体的に解説しますので、愛猫にサンマを食べさせるまえに確認しておきましょう。
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猫に秋刀魚(サンマ)を与える際の注意点
猫にサンマを与える際の注意点を解説します。
サンマだけでなくほかの魚類を与える際にも注意すべき点が多く含まれていますので、ぜひ参考にしてください。
調理時の注意事項
猫にサンマを食べさせる際は以下の点を調理時に意識してください。
・内臓(ワタ)をしっかり取り除く
サンマだけでなく魚類を与える際は、体内に潜む寄生虫を除去するため、しっかりと内蔵(ワタ)を取り除きましょう。
・火を通す(煮る・茹でる・焼くなど)
サンマの体内に生息する寄生虫であるアニサキスが猫の体内に入り込むと、アニサキス症という腹痛をともなう食中毒が発生します。
アニサキスは加熱により死滅するため、煮る・茹でる・焼くなどの加熱処理をしっかりとおこないましょう。
・喉に詰まらせないよう細かくカットする
猫がサンマを食べて喉に詰まらせないよう、小さく(細かく)カットしましょう。
サンマの身をほぐしてフードにふりかける方法もありますのでぜひ試してみてください。
・小骨に注意する
サンマは小骨が多い魚です。
小骨によって口の中を傷つけてしまう恐れがあるため、猫に与える際は見える範囲の骨だけでも取り除くようにしておきましょう。
・味付けしない
猫にサンマを与える場合、味付けしてはいけません。
とくに人間が食べる用に準備した塩焼きや醬油がついたサンマなどは、猫が食べると塩分過多になります。
塩分の過剰摂取は腎臓病などの原因となるため注意しましょう。
体調に関する注意点
猫にサンマを与える際は体調面で以下に注意しましょう。
・黄色脂肪症
黄色脂肪症は「イエローファット」ともよばれ、体の脂肪が変異しその部分にしこりや炎症を引き起こす病気です。
青魚に含まれる不飽和脂肪酸の過剰摂取が原因で引き起こされる病気であり、食欲低下や歩行異常、炎症部の痛みなどが症状としてみられます。
青魚を過剰に食べさせないことが予防になるため、愛猫にサンマを与える際は少量にしましょう。
・アレルギー
サンマを含む青魚にアレルギー反応を示す猫がいます。
そのため、はじめてサンマを食べさえる際は少量にし、体調に変化がないかしばらく観察してあげましょう。
もし下痢や嘔吐、発熱などの症状がみられたら、すみやかに動物病院を受診してください。
・食中毒
サンマの体内に潜んでいるアニサキスなどの寄生虫が原因となり、食中毒を引き起こす恐れがあります。
与えてから数時間後に激しい腹痛や嘔吐などがみられたら、アニサキスによる食中毒が考えられるため動物病院で処置を受けましょう。
秋刀魚(サンマ)は栄養素を豊富に取れる優れた食材のひとつです
基本的には猫にサンマを与えても問題ありません。
しかしサンマには、アニサキスなどの寄生虫が混入している可能性や、与えすぎが原因となって黄色脂肪症のリスクが高まるなどの注意点もあります。
そのことから、適量かつ下処理をしっかりと施した状態で愛猫に食べさせるようにしてください。
秋の味覚を愛猫と楽しめるのは素晴らしいことです。
注意点を守りながら、食欲の秋を愛猫とともに満喫してくださいね。