犬のうんちがゆるい、下痢になりやすいのはなぜ?原因と対処法
愛犬のうんちがゆるいときや下痢のとき、動物病院に行くべきか判断に悩みますよね。
犬のうんちが「ゆるい・下痢になりやすい」原因はさまざまですが、ときには深刻な病気が潜んでいることも。
愛犬の便の異常を「たかが下痢」と放置すると症状が悪化するケースもあるため、適切に対処することが重要です。
そこで今回は、「犬の下痢の種類」や「犬のうんちがゆるくなる原因」、「下痢をしたときの対処法」について解説します。
犬の下痢の種類
健康な犬のうんちは、つかんでも形が崩れず、やや湿り気はあってもシートや地面には水分の跡がほとんど残らないもの。
対して、犬の軟便や下痢にはさまざまな種類があり、状態によって緊急性も異なるため注意しなければいけません。
犬の下痢は、おおまかに以下の5種類に分けられます。
- 軽度の軟便=水分量が多いが、うんちの形状を保っているのでつかむことができる
- 重度の軟便(泥状便)=その名のとおり泥のような状態で形がないのでつかめない
- 水溶性下痢(水便)=約90%以上が水分であり、ほぼ水と同じで重度の下痢とされる
- 血便=下痢のときに大腸の粘膜が傷つくために出血を伴うものが多い
- 粘液便=大腸から分泌されたゼリー状の粘液を伴う下痢で、大腸の炎症の可能性がある
愛犬の便の異常で動物病院を受診する際には検査のためにうんちを持参しますが、散歩中の「水便」などの場合は、出血などの状態をよく観察して獣医師に伝えましょう。
犬のうんちがゆるくなる原因
愛犬の健康状態をチェックするための重要な手がかりになるうんちですが、犬のうんちがゆるくなる原因とはどのようなものなのでしょうか。
食べ物
人と同じで犬も「食べ過ぎ」や「消化の悪いものを食べたとき」など、食べ物が原因でうんちがゆるくなったり下痢になったりします。
また、「ドッグフードを変更した」ときや「食物アレルギー」などで軟便や下痢になることも。
愛犬のうんちがゆるくなる原因が「食べ物」と思われる場合は1~2日様子を見て、下痢が治まらないようなら獣医師の診察を受けましょう。
ただし下痢のほかにも嘔吐やぐったりしているなどの症状があれば速やかに動物病院を受診してください。
ストレス
犬の性格にもよりますが、強いストレスが原因でうんちがゆるくなるケースもあります。
工事などの騒音や家族の不和、長時間の留守番や、家族構成の変化、引っ越しなど、犬のストレスの原因はさまざまで避けるのは難しいことも。
デリケートなワンちゃんの場合は、これらのストレスが原因で軟便や下痢のほか嘔吐を繰り返すことがあります。
この場合は、ストレスの原因を取り除くことが可能であれば1~2日くらい愛犬の様子を見てあげ、改善しないときは獣医師の診察を受けましょう。
ウイルス
犬の軟便や下痢になる原因にはウイルスがかかわっているケースもあります。
とくに伝染性の高いパルボウイルス感染症は、嘔吐や脱水症状が起こることもあるため緊急治療を要することもないとはいえません。
ウイルスの感染症は混合ワクチン接種で予防できるものもあるので、1年に1回は接種しておきましょう。
寄生虫や細菌
「回虫」や、土壌などから感染する寄生虫のほか、ペットショップなどでの感染例が多い寄生虫が原因で犬が下痢を起こすこともあります。
寄生虫が原因の下痢の場合はうんちの中に虫が出ることもあるので、病院を受診するときは便を持参しましょう。
また細菌感染が原因で犬が下痢を起こすケースでは、血便を伴ったり発熱や脱水を引き起こしたりすることもあるため速やかに動物病院に行きましょう。
病気
犬のうんちがゆるくなる原因は、腸や胃の病気のほか、膵炎や腹膜炎や、副腎皮質機能低下症などの慢性的な疾患による下痢の可能性もあります。
病気が原因で激しい下痢が続いて犬が一気に衰弱してしまうと、命にかかわることもないとはいえません。
愛犬が下痢のほかにも「食欲がない」「嘔吐」「発熱」などの症状があれば、ためらわずに獣医師の診察を受けましょう。
誤飲・誤食
有害な食べ物やオモチャや小物などの「誤飲・誤食」が原因で、犬が下痢になるケースも少なくありません。
犬が誤飲・誤食したモノにもよりますが、激しい下痢のほか嘔吐が起こることもあり、緊急治療を要するケースもあるので速やかに動物病院を受診してください。
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犬が下痢をしたときの対処法
愛犬が下痢をしたときは、まずはかかりつけの獣医師に連絡して指示を仰ぐことをおすすめします。
ここからは、犬の下痢の症状別に飼い主さんができる対処法をお伝えします。
下痢のほかは元気なときの対処法
愛犬が下痢をしていても元気そうな様子であれば、先に述べた「食べ物」や「ストレス」が原因かもしれません。
この場合は、半日~1日くらいの間、絶食させて愛犬の胃腸を休ませてあげましょう。
ただし、水分はしっかりと摂らせるようにしてください。
絶食のあと愛犬に食事を与える際には、ウエットフードやドライフードをふやかすなどして消化を良くしたお腹に優しいものを少しずつあげましょう。
下痢が続くときや、ほかにも症状があるときの対処法
愛犬が「ほとんど水のような下痢をしている」ときや、「血便が混じっている」「1日に何回も下痢をする」、「下痢が2~3日以上続く」場合はためらわずに動物病院に行きましょう。
また下痢のほかにも「嘔吐」「食欲がない」「ぐったりしている」などの異変が感じられるときも一刻も早く受診することをおすすめします。
犬の下痢で獣医師の診察を受ける際にはうんちの検査が重要なので、受診直前の排便を少量、ラップなどに包みジプロックなどで密封して持参しましょう。
毎日のチェックが大事
犬のうんちがゆるくなったり下痢をしたりする原因は、「食べ物」「ストレス」「病気」などさまざまです。
人と同じで、犬の下痢も一過性で問題のないケースが少なくありませんが、判断に迷う場合は獣医師に相談することをおすすめします。
犬のうんちは健康状態を知るための重要な手がかりになるため、飼い主さんは愛犬の便の量や状態をしっかりと観察する習慣をつけましょう。