犬がいつもお腹がすいているのはなぜ?理由と満腹感を与える方法
「犬はなぜ、いつもお腹をすかせていて絶えず食べ物を欲しがるの?」と不思議に思ったことはありませんか?
犬がいつもお腹をすかせている理由はさまざまですが、愛犬のおねだりに負けて食べ物を与え過ぎると健康に重大なリスクが起こることも。
そこで今回は、「犬がいつもお腹がすいている理由」や「食べ過ぎで起こるリスク」、「犬に満腹感を与える方法」について解説します。
犬がいつもお腹がすいている理由
愛犬が美味しそうにフードを食べる姿は健康そのもので、見ているだけで嬉しくなりますよね。
しかし「愛犬がいつもお腹をすかせていて、食後すぐに食べ物を欲しがる」と困っている飼い主さんも多いかもしれません。
では、なぜ犬はいつもお腹がすいているのでしょうか。
犬がいつもお腹をすかせている理由はさまざまですが、主なものを見ていきましょう。
満腹中枢の働きが鈍い
犬がいつもお腹をすかせている理由のひとつは、他の動物と比べて「満腹中枢」の働きが鈍いから。
「満腹中枢」とは脳にある器官で、人の場合は食事をするとおよそ15~20分で反応して満腹感を知らせる、という働きをします。
しかし働きが鈍いとされる犬の満腹中枢は、お腹いっぱい食べたあとでも「満腹なので食べるのを止めよ」という指令をなかなか出しません。
犬がいつもお腹をすかせているのは、脳の器官がこのような特徴を持っているからであり、決して食い意地が張っているわけではないのです。
ドッグフードの早食い
犬はドッグフードを早食いするためいつもお腹をすかせている、という理由も考えられます。
もともと野生の犬は仲間と食料の獲物を分け合っていたので、われ先にと争って食べる必要がありました。
犬の「早食い」という習性は、その長期にわたった野生生活のなかで培われたものです。
そんな犬にとって、犬種や嗜好に合わせて食べやすく工夫されたドッグフードは、何よりも早食いしやすい食べ物といえるかもしれません。
そのため、もとから早食いの習性のある犬がフードを一気食いすると、満腹中枢の反応がさらに鈍くなり満腹感が得られにくくなるのでしょう。
食いだめ
犬がいつもお腹をすかせているのは、生存本能として「食いだめ」しようとしているから、という理由も考えられます。
犬の祖先であるオオカミは、獲物を捕らえたときだけしか食べ物にありつけません。
そのため、その希少な機会にたくさん食べられるようにオオカミは胃を広げて「食いだめ」をするのです。
犬がいつもお腹をすかせているのは、そんな野生の名残もあるのでしょう。
病気
犬が食欲を抑えられなくなる理由には、病気の可能性も考えられます。
病気によって犬の消化機能が適切に働かなくなると、お腹いっぱいになる量を食べても犬は「飢餓感」を感じてしまうのです。
犬の飢餓感の原因になる病気は「クッシング症候群」「糖尿病」「甲状腺機能亢進症」などが考えられます。
犬がいつもお腹をすかせている理由に病気が疑われる場合は、早めに動物病院を受診することをおすすめします。
次は、犬の食べ過ぎで起こることのあるリスクについて見ていきましょう。
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犬の食べ過ぎで起こるリスク
「愛犬がいつもお腹をすかせているから」といって、犬が欲しがるだけ食べ物を与えると食べ過ぎになってしまい、度を越した過食が命にかかわることも。
犬の食べ過ぎによって起こる可能性のあるリスクは以下のようなものです。
- 消化不良による嘔吐・下痢
- 胃が病的に膨れ上がる、危険な「胃拡張」
- 肥満になると、糖尿病や生活習慣病のほか関節炎になりやすくなる
- 短頭種(鼻ぺちゃ犬)は、とくにお腹がパンパンになったり吐いたりしやすくなる
上記のように、犬が食べ過ぎると深刻な健康トラブルが起こるリスクが高くなり、寿命が短くなることもないとはいえません。
愛犬が食べ過ぎにより健康を損ねることがないように、飼い主さんは次のような方法で満腹感を与えてあげましょう。
犬に満腹感を与える方法
空腹状態が続くとストレスを感じるのは人間だけではなく犬も同じなので、愛犬には健康的にお腹を満たす喜びを感じさせてあげたいですよね。
犬に満腹感を与えるには、次のような方法がおすすめです。
フードの回数を増やす
犬に満腹感を与える方法として効果が期待できるのは、フードの回数を増やすこと。
愛犬に与えているフードの量は従来どおりにして、回数だけを増やしましょう。
1日に2回のフードを3回に、1日に3回なら4、5回に増やすと、1回分の量は少なくなりますが、回数が増えるほうが犬に満腹感を与える効果があるとされています。
フードのかさ増しやトッピング
犬に満腹感を与える方法として、ドッグフードのかさ増しやトッピングもおすすめです。
ドライフードの場合はお湯でふやかしてかさ増しすると、かなりボリュームがアップして満腹感が得られるうえ犬の早食いを防ぐことも可能に。
また茹でた野菜などのトッピングでフードをかさ増しすると、愛犬にさらに満腹感を与えることができます。
ただし犬に野菜を大量に与えると水分でお腹がゆるくなることがあるので注意しましょう。
早食い防止の食器を使う
先述したように、犬がいつもお腹をすかせている理由のひとつは「ドッグフードの早食い」とされています。
そこで愛犬の食事に「早食い防止の食器」を使い、フードをゆっくり食べさせることで満腹感を与えてあげましょう。
犬の「早食い防止の食器」は、機能やサイズなど多種多様な商品が市販されていますので、フードの大きさや犬種に合ったものを選ぶことをおすすめします。
しっかりコントロールしてあげよう
犬がいつもお腹をすかせているのにはさまざまな理由がありますが、食べ過ぎは愛犬の健康にリスクが生じる可能性が高くなってしまいます。
犬の食べ物のコントロールや健康のサポートができるのは、飼い主さんだけです。
愛犬が健やかな生活を長く送れるように、「ゴハンちょうだい」とおねだりをされたときにはフードや食器を工夫して満腹感を与えてあげましょう。