犬に靴は必要?犬に靴を履かせる目的や注意点と選び方
犬は本来、靴など履かずに裸足で歩くもの。
お散歩している犬が靴を履いていたら、「犬に靴って必要なの?」と不思議に思いますよね。
じつは犬には靴が必要な理由や、靴が役に立つシーンがあるのです。
そこで今回は、「犬に靴が必要な理由」や「犬に靴を履かせる目的」のほか、「靴を履かせるときの注意点」「犬の靴の選び方」について解説します。
犬に靴が必要な理由
犬が服を着てお散歩しているのは、どこの地域でも見慣れた光景ですよね。
しかしお散歩中の犬が靴を履いていると違和感を覚える、という人は多いのではないでしょうか。
じつは犬には、服だけではなく靴も必要な理由があるのです。
では、なぜ犬に靴が必要なのでしょうか。
犬に靴が必要なおもな理由は、「肉球をガードするため」です。
野生のイヌ科やネコ科などの生き物は、過酷な自然の中で生き抜くため硬く強靭な肉球を持っています。
しかし室内飼いの犬の肉球は、野生動物と比べると厚みもたくましさもありません。
そんな犬は季節や環境などによって肉球が傷つくことがあるのです。
また犬が老化で肉球が乾燥しやすくなり潤いを失うと、ひび割れやケガにつながるケースも多くみられます。
犬に靴を履かせると、そんな傷つきやすい肉球をしっかりとガードしてあげることができます。
犬に靴を履かせる目的
犬の靴は肉球をしっかりと守り足もとのトラブルを回避しやすくするアイテムですが、どのようなシーンで役に立つのでしょうか。
犬に靴を履かせる目的や靴が役に立つケースはおもに次のようなものです。
雪や凍りついた道でのお散歩
冬の寒い季節、積雪や凍りついた道でのお散歩は、裸足で歩く愛犬にとって過酷なもの。
とくに超小型の室内犬の、厚みのないやわらかい肉球は、雪や氷で傷つく可能性もないとはいえません。
また老犬の潤いを失ったカサカサの肉球も同様に危険です。
こんなときに愛犬に靴を履かせると、華奢で傷つきやすい肉球でもしっかり保護できるので安心してお散歩ができますね。
暑い季節のお散歩
裸足でお散歩する愛犬にとって過酷なのは冬だけではありません。
環境省によると、真夏のアスファルトの表面温度は60℃を超えることもあるのだとか。
この熱さの道を歩くと、どれほど強靭な肉球を持った愛犬でもヤケドしてしまうでしょう。
夏の暑い季節は、夕方になって少し涼しくなったと感じても路面温度はなかなか下がりません。
この場合も、愛犬に靴を履かせると熱さや苦痛から肉球を守ることができます。
肉球に傷があるとき
お散歩中、愛犬が道に落ちているものを踏んでしまい肉球が傷つくことがあります。
また、アレルギー性の湿疹で愛犬の肉球がただれたり、老犬の肉球が乾燥し過ぎてひび割れたりすることも。
このようなときは傷口から細菌が入って炎症を起こすのを防ぐために、薬などの処置をしたうえで愛犬に靴を履かせてお散歩をすると肉球の保護ができます。
ただし愛犬の傷の状態によっては裸足のほうがよい場合もあるので、必ず獣医師に相談しましょう。
災害時の避難に
自然災害や火災などが起こった場合、飼い主さんは愛犬を連れて速やかに避難しなければなりません。
災害時には割れたガラスや危険な瓦礫などが散乱している中を歩くケースがあるため、愛犬が靴を履きなれていると素早く安全に避難しやすくなります。
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犬に靴を履かせるときの注意点
愛犬のやわらかい肉球を守ってくれる靴ですが、注意しなければならない点もあります。
次は、犬に靴を履かせるときの注意点です。
犬のストレスになる
初めて靴を履かせる際に、スムーズに大人しく履いてくれる犬は少ないでしょう。
愛犬が靴を履いて上手に歩けるようになるまでには時間もかかるため、犬が嫌がっているとストレスを与え続けることになるかもしれません。
愛犬に靴に順応してもらいたい場合は短い時間から始め、少しでも歩いたら大げさに褒めるなどして根気よく続けてみましょう。
滑ったりよろけたりしやすくなる
犬が靴を履いて歩くと、濡れた道などでも肉球や爪などで踏ん張ることができず、滑ったりよろけたりしやすくなることがあります。
その結果、愛犬が転倒してケガをしてしまうケースもないとはいえません。
愛犬の靴を入手する際には足のサイズを正確に測り、用途に適した滑りにくいものを慎重に選びましょう。
足が蒸れる
犬も長い時間靴を履いていると汗などで足が蒸れてしまうことがあります。
肉球の傷口をガードするために愛犬に靴を履かせている場合、蒸れると菌が繁殖しやすくなり炎症や感染症などにもつながりかねません。
愛犬の足が蒸れないように、長い時間靴を履かせることは避け、肉球や足もとを清潔に保ってあげましょう。
犬の靴の選び方
犬の靴はどのように選べばよいのでしょうか。
愛犬の靴の選び方のポイントは次のようなものが挙げられます。
- 愛犬の前足・後ろ足の「肉球の縦・横の長さ」や「足首の太さ」などを正確に測り、サイズの合う靴を選ぶ
- 暑い季節は通気性の良いもの、雪や雨のときには防水素材など目的や環境で選ぶ
- 履かせやすく脱げにくい構造のものを選ぶ
- 転倒を防ぐため滑りにくいものを選ぶ
- 「しっかりとしたソール付きのタイプ」「靴下のような形状のタイプ」など、環境や犬の状態に合わせて選ぶ
犬の靴のサイズはメーカーによって異なりますので、できれば試着したうえで選ぶかメーカーのサイトに問い合わせることをおすすめします。
愛犬の足を守ろう!
犬の靴は、お散歩に過酷な環境や災害時のほか肉球が傷ついている場合などにも役立つ、多くのメリットが得られるアイテムです。
しかし愛犬に靴を履かせる場合には注意しなければならない点もあり、犬によっては強いストレスになることもあるため慎重に判断しましょう。
愛犬に靴に慣れてもらうには、短い時間から練習を始め、大好きなオヤツなどをあげてほめるなどして根気よく続けることをおすすめします。