犬も夢を見る?睡眠中の寝言や行動と注意点
子犬から老犬まで、ライフステージにかかわらず犬も夢を見ます。
眠っている犬が寝言で鳴いたり動いたりするのは夢を見ているから。
愛犬の寝言を聞くと、どんな夢を見ているのか夢の中を覗いてみたくなりますよね。
しかし犬の睡眠中の行動には注意しなければいけない点もあります。
そこで今回は、「犬の睡眠」や「犬が寝言をいう理由」、「睡眠中の犬の行動」などについて解説します。
犬の睡眠
犬はお散歩にいったり遊んだりの活動や食事のほかの時間は、ほとんど寝ていることが多いもの。
うらやましいことに、犬の平均睡眠時間はおよそ12~15時間といわれています。
ただし、犬は人間のように連続して長い時間眠るのではありません。
室外で飼っている犬の睡眠は、数十分眠って5分程度覚醒するといったパターンを繰り返しているのだとか。
犬は人と同じで年齢によって必要な睡眠時間が異なりますが、その目安は次のようなものです。
- パピー期~1歳くらいまでは18~19時間
- 1~7歳くらいの成犬は12~15時間
- 8歳以上のシニア犬は18~19時間
また犬の睡眠時間は、大型犬のほうが小型・中型犬とくらべて長い傾向があります。
犬はそれぞれのライフステージで上記の時間の睡眠を必要としているので、たっぷり眠らせてあげましょう。
犬が寝言をいう理由
愛犬が「フフン、フフン」「ヒンヒン」「クンクン」と鳴いていると思ったら寝言だった…。
愛犬のこんな場面に遭遇して、笑ってしまったことのある飼い主さんは多いのではないでしょうか。
眠っている犬は意識して筋肉を動かせないので、口を思いきり開けることができません。
そのため犬の寝言は、起きているときのような「ワンワン」「キャンキャン」といった大きく響く声ではなく、くぐもった鳴き声になることが多いようです。
ではなぜ犬は寝言をいうのでしょうか。
犬が寝言をいうのは次のような理由が考えられています。
夢を見ている
犬が寝言をいう理由は、人と同じでレム睡眠中に夢を見ているから。
人間の睡眠に「レム睡眠・ノンレム睡眠」があることはよく知られていますが、犬も同様で眠っているあいだにそれぞれを繰り返しています。
犬が眠っているときは、「レム睡眠(身体は寝ていても脳は起きている)」が大半の時間を占めていますが、夢を見ているのはこの状態のときと考えられています。
犬の寝言は見ている夢の内容によって変わるようなので、飼い主さんも愛犬の夢の世界で一緒に遊んでみたくなりますね。
非日常体験
犬にとって非日常的な体験や出来事が起こったあとに寝言をいうケースも多くみられます。
「特別なイベントへの参加」や「お散歩中に出会った犬とのトラブル」、「見知らぬ人の自宅への訪問」など、犬にとって非日常的な体験はさまざま。
個体差はありますが、人が特別に感じないことでも犬は強い刺激やストレスを受けることがあるのです。
犬が興奮したり喜びや恐怖を感じたりしたあとの睡眠中は、脳が刺激的な記憶を整理するために夢を見て寝言をいうのかもしれません。
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睡眠中の犬の行動
睡眠中の犬の行動は、寝言のほかには次のようなものがあります。
足をバタバタ動かす
愛犬がドッグランなどで走り回って遊んだりしたあとには、眠りながら足を走っているようにバタバタと動かすことがあります。
このようなとき愛犬は、飼い主さんと楽しく走っている夢を見ているのかもしれませんね。
口を動かし音を出す
とくに子犬期の犬は、寝ているときに口を動かして「チュパチュパ」と音を出したり、前足でもみもみしたりするような動きをすることがあります。
このようなときはお母さん犬のお乳を飲んだりフードを食べたりしている夢を見ているのでしょう。
うつぶせになっている
犬がうつぶせになって寝ているときは、次のような意味をもった行動の場合もあります。
- すぐに立ち上がれるよう警戒態勢をとりながら眠っている
- 暑い季節に冷たい床などで熱い体を冷やしながら眠っている
注意が必要な睡眠中の行動
睡眠中の犬が次のような行動をとっていたら注意が必要ですので、十分に配慮してあげてください。
いびきをかく
フレンチブルドッグやパグなどの短頭種の犬は、鼻からのどにかけての空気の通り道が狭いため、いびきをかきやすいといわれています。
短頭種以外の犬でもいびきがひどい場合は、のどや気管などに異常が起こっているケースや、睡眠時無呼吸症候群を発症している可能性もないとはいえません。
眠っている愛犬が苦しそうに呼吸していたり、大きないびきをかいたりしているのに気づいたら、早めに獣医師の診察を受けましょう。
祈っているような姿勢をとる
犬が前足を伸ばして祈っているような姿勢をとりながら眠っている場合は、強い痛みを耐えている可能性があります。
愛犬がこの姿勢をとるのは、腹部に強い痛みを抱えているため少しでも内臓が圧迫されないようにしているからなのかもしれません。
寝起きの際のストレッチのような「伸び」とは明らかに愛犬の様子が異なっていて、ほかにも異常が感じられたら速やかに動物病院で診てもらいましょう。
痙攣している
睡眠中の愛犬が苦しそうに痙攣するなど異常な行動を繰り返す場合も、早めに獣医師の診察を受けることをおすすめします。
動物病院での診断の参考になりますので、このときにもし余裕があれば痙攣する犬の動画の撮影をしておきましょう。
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まとめ
犬の心身の健康を守るためには質の良い睡眠を十分にとることが必要です。
愛犬が夢を見て寝言をいったり動いたりしても起こさずに、たっぷりと眠らせてあげましょう。
気持ちよさそうに眠る愛犬の姿はかわいらしいものですが、異常ないびきや不自然な動きに気づいたら、早めに獣医師に相談することをおすすめします。