犬の耳の動きで気持ちがわかる?犬の耳の種類と心理について解説
「愛犬の気持ちをもっと理解したい!」と願う飼い主さんは多いのではないでしょうか。
じつは犬は、しぐさや行動や表情のほか、耳の動きによっても気持ちを伝えています。
日ごろは見落としがちな犬の耳の動きをよく観察すると、これまで気づかなかった愛犬の気持ちがわかるようになりますよ。
そこで今回は、「犬の耳の種類」や「耳の動きでわかる犬の気持ち」、「注意が必要な耳の動き」について解説します。
犬の耳の種類
「耳の動きで犬の気持ちがわかる」といっても、犬の耳は犬種によって形状が大きく異なりますよね。
種類や形が違う犬の耳は、動きをよく観察することで気持ちがわかりやすくなります。
そんな犬の耳の種類は、大まかに分けると以下の3タイプです。
立ち耳
立ち耳とは、オオカミを祖先に持つ犬の本来の耳の形です。
立ち耳は、その名のとおり上を向いて立ち上がっているのが特徴で、イヌ科の野生動物であるオオカミやキツネ、コヨーテなども立ち耳の持ち主です。
かつては野生動物だった犬も、耳を立ち上がらせることによって微かな音も聞きわけ危険を察知していたのでしょう。
そんな立ち耳の代表的な犬種は、柴犬や秋田犬などの日本犬やジャーマンシェパードなど。
犬の立ち耳は、大きさや形などでさらに以下のような種類に分類されます。
- バットイヤー=フレンチブルドッグに代表され、コウモリの羽の形に似ている
- バタフライイヤー=パピヨンなどの、蝶が羽を広げたような飾り毛が特徴
- キャンドルフレームイヤー=ミニチュアピンシャーなどの、ろうそくの炎のような形
半立ち耳
半立ち耳とは、立ち耳の先端の一部が折れているものを指します。
半立ち耳の代表的な犬種は、シェットランドシープドッグやボーダーコリーなど。
半立ち耳もまた、さらに以下のような種類に分類されます。
- ボタンイヤー=ジャックラッセルテリアなどテリア種に多く、耳の途中で大きく折れて垂れている
- ローズイヤー=ブルドッグやパグなどの耳で、耳の先端が後ろに折れ耳の内側が見える形をしている
垂れ耳
垂れ耳とは、耳の穴をふさいで顔の側面に垂れ下がった耳のことです。
垂れ耳の犬は、立ち耳や半立ち耳のように耳の穴が露出されていませんが、聴力に差はありません。
ただし、垂れ耳の犬の場合、耳の動きによる気持ちはわかりづらいケースもあるようです。
垂れ耳の代表的な犬種は、ゴールデンレトリバーやトイプードル、ミニチュアダックスフンドなど。
垂れ耳も、さらに以下のような種類に分類されます。
- ペンダントイヤー=バセットハウンド、ビーグルなどのとくに耳が大きなもの
- フォールドイヤー=キャバリアやコッカ―スパニエルなどの、耳の付け根がやや外側に広がっているタイプ
上記のように、犬の耳には蝶の羽やコウモリなどに例えたユニークで多様な名前がありますが、あなたの愛犬の耳はどのタイプですか?
次は、耳の動きでわかる犬の気持ちについてみていきましょう。
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耳の動きでわかる犬の気持ち
犬はさまざまな表情やしぐさで感情を伝える動物ですが、耳の動きでも気持ちがわかるのは、野生時代に群れの仲間へのボディランゲージで耳の筋肉も駆使していたから。
犬の耳を動かす筋肉は5つあるので、それぞれを器用に使い分けて複雑な気持ちを表現できるんですね。
そんな耳の動きでわかる犬の気持ちは、以下のようなものです。
※垂れ耳のワンちゃんは少し分かりづらいですが、耳の付け根を良く観察すると動きがわかりますよ。
耳をピーンと立たせているときの気持ち
犬が耳をピーンと立たせる動きをするのは、犬が何らかの対象に好奇心などの関心を持っているときです。
また耳を立てながら、犬が嬉しそうな表情をしているときは「何か良いことがありそう!」と楽しい気持ちになっていると考えられます。
対して、険しく不安そうな表情で耳をピーンと立てているときは、犬は何かに警戒心や恐怖心を抱いているのかもしれません。
このようなときは、愛犬の見ているものや周囲に注意を払うようにしましょう。
耳を後方に倒しているときの気持ち
犬が耳を後ろに寝かせるように倒しているときの気持ちも、相反する2つのケースがあるため、愛犬の表情をよく観察してみましょう。
まず愛犬が耳を後ろに倒した状態で怯えたような表情をしているときは、恐怖や不安などのストレスを感じていると考えられます。
また、敵意をむき出しにする犬などに対して「降参」する態度を示すために耳を倒すことも。
対して、愛犬が耳を倒して穏やかな表情をしているときは、飼い主さんに頭を撫でられるのを期待して幸せな気持ちに浸っていることが多いものです。
このときは飼い主さんを見つめたりすり寄ったり、と甘えるようなしぐさも見られますので愛犬の期待に応えてあげましょう。
耳を横に倒しているときの気持ち
犬が耳を横に倒しているときは、飼い主さんへ不満を抱いていたり何らかの対象に警戒していたりするなど、嫌な気持ちになっていると考えられます。
この場合は同時に「悲しげな表情をする」「立てたしっぽを小刻みに振る」などの動作が見られることもあるので、原因にいち早く気づいてあげましょう。
注意が必要な耳の動き
犬が耳を動かすのは、気持ちを伝えるだけではなく病気のサインのこともあるため注意が必要です。
愛犬が以下のような耳の動きをしたら、早めに動物病院を受診することをおすすめします。
- 耳や頭を振ることを繰り返す=外耳炎・中耳炎のほか感染症などの可能性がある
- 片耳だけ下げる=耳血種(耳の軟骨内に血液が溜まる病気)などの可能性がある
上記の耳の動きのほかにも、少しでも愛犬の耳に異変を感じたら獣医師の診察を受けましょう。
犬の耳は重要なコミュニケーションツール
犬の気持ちは、表情や行動やしぐさのほか、耳の動きからも読み解くことができます。
飼い主さんは愛犬の耳の動きから、もっと気持ちをわかってあげて、さらに幸せで密度の濃い毎日を過ごしましょう。
愛犬の耳の動きを見るときやお手入れの際は耳の中の状態も観察し、少しでも異変を感じたら迷わず動物病院を受診してくださいね。