猫がしゃっくりをする原因と注意すべき病気の可能性を解説
猫のしゃっくりは人間のように「ヒック」と音を立てることはほとんどありません。
そのため、大抵の場合は見逃してしまうものの、はじめて猫のしゃっくりを見た飼い主さんは、「体調が悪いのではないか…」と不安を感じてしまうものです。
そんな飼い主さんに向けて、今回は「猫がしゃっくりをする原因と注意すべき病気の可能性」について解説します。
通常のしゃっくりであればとくに問題ありませんが、場合によっては、その裏に病気が潜んでいる可能性があります。
猫の健康状態をより正確に把握するうえで必要な情報もありますので、ぜひ当記事の内容を参考にしてください。
しゃっくりが発生するメカニズムと原因
しゃっくりが発生するメカニズムとその原因について解説します。
しゃっくりが発生するメカニズム
猫のしゃっくりは人間同様、横隔膜のけいれんによって引き起こされる生理現象のひとつです。
人間の場合だと「ヒック」と音を発するためしゃっくりの判断が容易にできますが、猫はお腹のあたりがピクピクと波打つ程度でほとんど音を発しません。
そのため、しゃっくりが出ていることに気付かないケースも多々あります。
猫のしゃっくりは成猫より子猫に出やすいといわれており、大抵の場合は数時間~1日以内に止まります。
1日以上しゃっくりが続くようであれば病気の可能性もあるため、動物病院で診察を受けるのが一般的です。
猫のしゃっくりが発生する原因
しゃっくりが発生する原因はさまざまですが、主にこれらの行動や生活環境が関係しているようです。
【猫のしゃっくりが発生する原因】
- 早食い
- 食べ過ぎ
- 激しい運動
- 冷たいものを飲んだ、食べたあと
- 過度なストレスや不安
早食いや食べ過ぎなどによって胃が急激に刺激されると、しゃっくりが起こるといわれています。
冷たいものを飲んだ、または食べたあとにしゃっくりが出るケースもあるため、「愛猫が食後によくしゃっくりをしている」という場合は、早食いになっていないか、エサをあげすぎていないか、エサや飲み水が冷たすぎないか、などをチェックするとよいでしょう。
また、環境の変化などによる過度なストレスや不安から、しゃっくりが誘発されるという説もあります。
とくに猫は敏感な動物なので、引っ越し直後や新しくペットが増えたときなど、さまざまな理由でストレスや不安を感じてしまいます。
「環境の変化が起きた直後からしゃっくりが頻繁に出るようになった」という場合には、ストレスや不安を解消させるための方法を検討するとよいでしょう。
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猫のしゃくりを予防する方法
猫のしゃっくりを予防する方法をご紹介します。
少し気をつければ対応できるものばかりなので、無理のない範囲ではじめてみましょう。
エサの量を減らして回数を増やす
一度に大量のエサを食べると、それに応じて横隔膜が刺激されしゃっくりが発生します。
そのため、1日にあたえるエサの分量を再確認し適量を給餌します。
また、エサとエサの間隔が空きすぎてしまうと早食いの原因になりますので、1日にあたえる分量はそのままで、あたえる回数を増やすのがおすすめです。
早食い防止用の食器なども販売されているため、気になるようであればペットショップで確認してみてください。
冷たすぎる食べ物や飲み物をあたえない
冷たい食べ物や飲み物をあたえると、消化管の冷却による刺激でしゃっくりが誘発されると考えられています。
可能であればエサや飲み水は一度常温に戻してからあたえるようにしてください。
※お湯を入れて温度調整する場合は熱くなりすぎないように注意しましょう。
ストレスや不安を解消してあげる
環境の変化などによるストレスや不安が原因でしゃっくりが出る猫もいます。
運動によるストレスの解消、ブラッシングや遊びなどを通した不安な気持ちの払拭など、飼い主ができることはたくさんありますので、これまで以上にスキンシップを取る時間を作ってあげましょう。
しゃっくりからわかる病気のサインとは
しゃっくりは生理現象のひとつなのでとくに問題はないと冒頭で説明しました。
しかし、まれに病気の兆候または症状のひとつとしてしゃっくりが出ることもあります。この章では、しゃっくりから考えられる病気のサインについて解説します。
肺炎や気管支炎などの呼吸器系疾患
愛猫がしゃっくりしていると思いきや、実は咳やくしゃみだったというケースもよくあります。
そのような状態が継続的に続くようであれば、肺炎や気管支炎など呼吸器系の疾患が疑われます。
胃腸炎や腫瘍などの消化器疾患
消化器官にできた腫瘍や胃腸炎によって胃腸が膨れると、それにともなって横隔膜が刺激され、しゃっくりが出ることがあります。
しゃっくりだけでなく、食欲の減退や水を飲まない、嘔吐、下痢などの症状がみられます。
脳腫瘍などの神経系疾患
脳腫瘍などの神経系疾患が原因でしゃっくりが出るケースもあります。
しゃっくり以外にも、けいれん発作や意識レベルの低下、視覚障害、攻撃性が増すなどの症状がみられます。
毎日の観察が大事
しゃっくり自体は生理現象のひとつなので問題ありません。
しかし、咳やくしゃみとの見極めが難しい点や病気が要因となっている可能性もあるため、しゃっくり以外になにか症状が出ていないか必ず確認してください。
愛猫の健康を守れるのは飼い主だけです。少しでもおかしいと感じたら、すぐにかかりつけの動物病院で診察を受けるようにしましょう。