犬の夏バテの症状とは?夏バテの原因や対策について解説
夏に食欲がなくなったり、だるく疲れやすくなったりする「夏バテ」。
犬も「夏バテ」になることがありますが、症状が悪化して熱中症や脱水症状を引き起こすと命にかかわることも。
そのため飼い主さんは犬の「夏バテ」の症状や原因を知っておき、愛犬の健康のためにしっかりと対策しておくことが大切です。
そこで今回は、犬の「夏バテの原因」や「夏バテの症状」、「夏バテを予防する対策」について解説します。
犬の夏バテの原因
「夏バテ」とは夏にバテることですが、「バテる」の意味は「疲れ切る・へとへとになる・へたばる」など。
犬の夏バテにも上記のような症状が表れますが、犬はどのような原因で夏バテになるのでしょうか。
犬の夏バテの原因として考えられるのは、以下のようなものです。
- 体の大部分が被毛で覆われているので、暑さに弱い
- ほとんど汗をかかず、呼吸で熱を逃がすことしかできないため、高温多湿の環境に弱い
- 快適な室温に慣れている室内犬は、高温の屋外との温度差で自律神経が乱れてしまう
- 日本の夏は、年々猛暑日や熱帯夜が増加している
犬の夏バテの主な原因は上記のようなものですが、この数年、夏バテになる愛犬が増加しているのだとか。
近年は記録的な暑さが続いているため、もともと暑さに弱い犬が、さらに夏バテしやすくなっているのでしょう。
次は、犬が「夏バテ」になると、どのような症状があらわれるのか見ていきましょう。
犬の夏バテの症状
犬の夏バテの症状はさまざまですが、夏バテと、ほかの病気による不調との違いを見分けるのは難しいかもしれません。
愛犬の症状が「夏バテかどうか」を見分けるポイントは、4~6月ころの様子と比べること。
梅雨が明けて夏になってから愛犬に症状があらわれた場合は、「夏バテの可能性が高い」といえるでしょう。
犬の夏バテの症状は次のようなものです。
食欲がなくなる
犬の夏バテの症状の代表的なものは、ふだんは食欲旺盛な愛犬の食欲がなくなること。
食欲は健康のバロメーターといわれますが、犬の食欲不振も何らかの不調を抱えているケースが多いものです。
「いつも完食するフードを残す」などの愛犬の症状が、暑さが厳しい夏に起こった場合は夏バテの可能性が高いでしょう。
犬が夏バテで消化機能が低下すると、食欲がなくなるだけではなく、嘔吐や下痢の症状が起こることもあります。
このような症状が続くと犬が体力を消耗してしまうため、「たかが夏バテ」と考えず早めに動物病院を受診しましょう。
元気がなく、散歩も嫌がる
犬の夏バテの症状として、「だるさ」や「疲労感」などの倦怠感が続くことも。
夏に愛犬の元気がなくなり散歩を嫌がるようになった場合は、夏バテで起こる倦怠感が原因かもしれません。
犬は夏バテのだるさや疲労感で活動量が低下してしまうため、夏の散歩は涼しい時間帯に行くことが大切です。
愛犬が少しの散歩でも嫌がり、ぐったりしている場合は速やかに獣医師に相談することをおすすめします。
睡眠時間が増える
私たちが夏バテになると横になって休みたくなるように、犬も夏バテになると睡眠時間が増える傾向があります。
その結果、愛犬が運動不足になると、さらに食欲不振や消化機能の悪化を招くケースもあるので、この状態が続く場合も注意しなければいけません。
犬の夏バテの症状は、上記のほかにも「不安そうで落ち着きがなくなる」「軟便・便秘など便の不調」などが挙げられます。
また夏バテの症状と思われても、ほかの病気が潜んでいる可能性もあるため、愛犬の不調が続く場合は迷わず動物病院を受診しましょう。
次は、犬の夏バテを予防する対策について解説していきます。
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犬の夏バテを予防する対策
犬の夏バテは、熱中症のような緊急治療は必要ありませんが、夏バテで体調を崩してしまうと秋になっても不調が続くことも。
愛犬に健やかに夏を乗り越えさせるためには、次のような対策で夏バテを予防しましょう。
お散歩は涼しい時間帯にする
犬の夏バテを予防するための対策として重要なのは、愛犬のお散歩を涼しい時間帯のみにすること。
真夏の日中は気温が高いだけでなく地面もかなり熱くなるので、散歩をすると暑さに弱い犬に相当なダメージを与えてしまいます。
愛犬の夏バテを防ぐためには、お散歩は早朝か夜間に行い、可能なら川沿いの道や土の上を歩かせてあげましょう。
適切な水分補給
愛犬に適切に水分補給をさせることも、犬の夏バテ予防の大切な対策のひとつです。
暑い夏に愛犬がしっかり水分を摂らず脱水症状を引き起こしてしまうと、命に危険が及ぶことも。
そのため愛犬がすぐに水が飲めるように水飲み容器は複数の場所に置き、犬が好きな麦茶を3倍くらいに薄めたものを与えるなど、水分補給の方法を工夫しましょう。
食事にも工夫をする
犬の夏バテを予防する対策として、食事を工夫することも大切です。
暑い夏に愛犬がフードを残したりすると、体に必要な栄養が不足して夏バテしやすくなってしまいます。
そのため、愛犬のフードを「ふやかして香りを立たせる」「ウェットタイプのものにする」「野菜などのトッピングをする」など工夫し、食べやすくしてあげましょう。
エアコンを活用する
犬の夏バテを予防する対策として重要な役割を果たすのは、やはりエアコンです。
犬は暑さだけではなく湿度の高さも苦手なので、愛犬が快適に過ごせるよう室内の温度と湿度をエアコンで一定にキープしましょう。
犬が夏に快適と感じる温度は23~26℃、湿度は40~50℃といわれていますが、個体差がありますので愛犬の様子を見て判断してくださいね。
また犬の夏バテ予防対策として、クールマットなどのペット用の冷却グッズも活用することをおすすめします。
しっかり対策して愛犬を夏バテから守ろう!
犬の夏バテは緊急治療を要することはありませんが、悪化すると熱中症を引き起こしたり体調不良が秋になっても続いたりするので注意が必要です。
暑さに弱い犬は夏バテしやすいので、飼い主さんは愛犬が快適な環境を整え、水分補給や食事に工夫するなど、夏バテを予防する対策をしてあげましょう。
愛犬の不調が続く場合は、「夏バテだから」と軽く考えず、動物病院を受診してくださいね。