犬に麦茶をあげても平気?メリットや適量と与えるときの注意点
香ばしい香りとすっきりとした味わいで、渇いたノドを潤してくれる麦茶。
飼い主さんが麦茶を飲んでいると欲しがる愛犬も多いかもしれませんが、麦茶は犬にあげても平気なのでしょうか。
そこで今回は、「犬に麦茶を与えるメリット」や「麦茶の適切な量」、「犬に麦茶を与えるときの注意点」について解説します。
犬に麦茶をあげても平気?
「愛犬に麦茶をあげても平気なの?」と気になっている飼い主さんは多いかもしれませんね。
結論から先にいうと、麦茶は犬にあげても平気な飲み物です。
麦茶は「お茶」なのに、なぜ犬にあげても平気なのか?というと、麦茶には犬が中毒を起こす恐れのある「カフェイン」が含まれていないから。
一般的な「茶」とは、日本茶、紅茶、中国茶ですが、これらはすべてツバキ科の「チャノキ」から作られておりカフェインを含有しています。
対して、「麦茶」や「ハーブティー」などは「茶外茶」と呼ばれる飲料であり、厳密には「茶」ではないためカフェインを含みません。
「茶」という名前を持ちながら、じつは「茶外茶」である麦茶は、ノンカフェインで犬にも安全な飲み物なので愛犬にあげても平気なのです。
そんな麦茶ですが、愛犬に飲ませるとさまざまなメリットがあることをご存知でしょうか。
次は、犬に麦茶を与えると得られるメリットについて詳しく見ていきましょう。
犬に麦茶を与えるメリット
ホットでもアイスでも飲みやすく、暑い季節の水分補給にも最適な麦茶ですが、犬に与えるメリットについては意外と知られていないかもしれませんね。
麦茶を愛犬に与えると以下のようなメリットがあるので、おすすめですよ。
効率的に水分補給ができる
犬に麦茶を与えるメリットのひとつは、効率的に水分が摂れるということ。
麦茶は99%が水分ですが、独特の香ばしさが嗜好に合う犬が多いため、水を飲みたがらない愛犬も効率的に水分補給することが可能に。
そのため、麦茶は暑い季節の犬の熱中症予防にも適した飲み物といえるでしょう。
また高齢犬も水より強い香りのある麦茶を好んで飲むことが多く、有害な成分が含まれていないので子犬にも安心して与えることができます。
犬の健康に良い栄養素が含まれている
犬に麦茶を与えると、健康に良い効果が望めるのもメリットといえます。
麦茶に含まれている栄養素は以下のようなもので、これらの作用によって犬の健康をサポートする効果が期待できます。
- カリウム=ミネラルの一種で、細胞の浸透圧の調整、塩分の排出など重要な働きをする
- リン=カルシウムと同様に骨や歯を構成するほか、リン脂質として細胞膜を構成する
- ポリフェノール=抗酸化作用で、有害な活性酸素を無害に変える
- アルキルピラジン=麦茶の独特の香りをつくる成分で、血液をサラサラにする効果がある
胃の粘膜を守ってくれる
麦茶の成分には、人の胃の粘膜を守ってくれる働きがあることも知られています。
そのため、犬が麦茶を飲んだ場合にも同じ作用が期待できるのもメリットのひとつです。
リラックス効果
近年の研究により、原料に六条大麦を使用している麦茶の、独特の香ばしいニオイにはリラックス効果があることがわかりました。
嗅覚の優れている犬が麦茶のあの香りを好んで飲みたがるのは、犬もリラックス効果を感じているからなのかもしれませんね。
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犬に与える麦茶の適切な量
愛犬に麦茶を与える際の適切な量は、日ごろの水分摂取量を目安にしましょう。
犬の1日の飲み水の目安は、体重1kgあたりおよそ50mlです。
したがって、体重が5kgで1日に250ml程度の水分を摂っている愛犬なら、その範囲内の量の麦茶を与えることをおすすめします。
ただし、人間用の麦茶は犬には味が濃すぎるため、水で2~3倍に薄めたものを飲ませてください。
また愛犬に一度に大量の麦茶を飲ませると、胃腸などに負担がかかり下痢や嘔吐を引き起こすこともあるので、少しずつ与えるようにしましょう。
犬に麦茶を与えるときの注意点
犬に良い栄養素を含み水分補給にも最適な麦茶ですが、愛犬に与える際には注意点もあります。
愛犬に麦茶を与える際の注意点は以下のようなものです。
麦茶の与え方
暑い季節に私たち人間は冷蔵庫で冷やした麦茶を飲みますが、犬に冷たい飲み物を与えると胃腸に負担がかかってしまうため、必ず常温か温めたものを与えてください。
また麦茶は水より腐敗しやすいため、愛犬の水飲みボウルなどに飲み残したものをそのまま放置しないようにしましょう。
アレルギー
麦茶は原料がイネ科の大麦なので、イネ科のアレルギーの犬に与えるのはおすすめできません。
ただし愛犬がイネ科アレルギーであっても、アレルゲンのなかに大麦が含まれていなければ麦茶を飲ませることができます。
「愛犬に麦茶を飲ませたいけれど、アレルギーが心配」という飼い主さんは、獣医師にアレルギー検査の相談をしてみましょう。
また、愛犬に麦茶を初めて与えるときは5ml(小さじ1)程度から始め、下痢や嘔吐、皮膚の痒みや発疹などのアレルギー症状が出ないか慎重に気を配ってください。
麦茶を飲んだあとの愛犬に少しでも異変が起こった場合は、すぐに動物病院を受診しましょう。
持病のある犬
麦茶はミネラル成分を豊富に含んでいるため、愛犬に尿路結石などの持病があり、ミネラルの制限をしている場合は与えないほうがよいでしょう。
また腎臓病などでリンの制限をする必要のある愛犬や、ほかの持病を抱えているケースでも麦茶が悪い影響を及ぼす可能性もないとはいえません。
持病のある愛犬に麦茶を与えたいときは、まずはかかりつけの獣医師に相談することをおすすめします。
犬の熱中症予防にも麦茶はおすすめ
麦茶は犬にとって有害なカフェインが含まれていないので、安心して愛犬に与えられます。
また香りの良い麦茶は犬が好んで飲みやすく、効率的に水分補給ができるので熱中症予防に役立つほか、健康にもメリットの多い飲み物です。
愛犬に麦茶をあげるときは与え方やアレルギーに注意を払い、気になることがあれば獣医師に相談してみましょう。