猫の口周りにできる「猫ニキビ」の原因とは?原因とケア方法を解説
愛猫の口周りが黒っぽくなっていて心配な飼い主さんはいませんか?
もしかするとそれは「猫ニキビ」によるものかもしれません。
猫ニキビは軽度であればほとんど症状はみられないものの、進行すると愛猫に大きな苦痛を強いることもある病気です。
そこで今回は、「猫ニキビ」について詳しく解説します。
猫ニキビが発生する原因だけでなくケアの方法もご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
猫の口周りやアゴ周辺にできる「猫ニキビ」とは?
猫の口周りやアゴの下にできる黒いプツプツのことを「猫ニキビ」といいます。
正式名称を「ざ瘡(ざそう)」といい、猫にみられる代表的な皮膚疾患のひとつです。
口周りやアゴの下に存在する分泌腺が炎症を起こすことで発生する病気だとされています。
猫ニキビは多頭飼育の環境でほかの猫にうつることはありません。
飼い主(人間)や猫以外のほかの動物に対しても同様です。
猫ニキビの症状とは
猫ニキビの症状は疾患の進行度合いによって異なります。具体的には以下のとおりです。
●軽度の場合
- 患部に黒いプツプツができる程度でほかに症状はみられない
●中度の場合
- 黒いプツプツの量が増え、範囲も広がる
- 被毛が抜け赤みをおびた炎症(皮膚の硬化がみられる)
- 患部を頻繁にかくようになる
●重度の場合
- 細菌感染による化膿
- 皮膚のただれによる出血
- 患部の脱毛が中度時より進行する
猫ニキビは中度から徐々に痛みをともなうようになるため、中度以上の症状がみられる場合には、すみやかに獣医師による治療が必要です。
初期段階であれば治療も短期間で済みますので、黒いプツプツがみられたら、早い段階で動物病院を受診するのがおすすめです。
■あわせて読みたい記事■
猫の鳴き声や鳴き方がいつもと違うのは不調のサイン?考えられる5つの理由
猫ニキビができる6つの原因
猫ニキビができる6つの原因を解説します。
愛猫のニキビが気になるようであれば、これらの要因が関係していないか確認してみてください。
食器の素材によるアレルギー反応
ステンレスや陶器、プラスチックなど、猫の食器にはさまざまな素材が使用されています。
それら素材によってアレルギー反応を引き起こし、猫ニキビが発生するといわれています。
食器を変えた直後に猫ニキビができたのであれば、一度アレルギー検査を検討してもいいでしょう。
食器に付着した雑菌
エサや水を入れている食器が不衛生だと、そこで繁殖した雑菌が原因で猫ニキビになることがあります。
最低でも1日1回は食器を綺麗に洗ってください。
また、古くなった食器は傷がついた部分に雑菌が繁殖しやすいため、定期的に買い替るようにしましょう。
フードが体質に合っていない
フードが猫の体質に合っていない場合も猫ニキビができることがあります。
これまでと違うフードをあたえるようになってから猫ニキビがみられるなら、元のフードに戻すなどの対応をおこないましょう。
過度なストレス
過度なストレスから免疫力が低下し、それが原因で猫ニキビを引き起こします。
猫がストレスを感じる原因はさまざまですが、引っ越しや家族構成の変化など、環境が大きく変わる際に最もストレスがかかるといわれています。
ストレスは猫ニキビ以外の体調不良を引き起こす原因にもなるため、環境の変化があった際は愛猫の様子をしっかり観察してあげましょう。
毛づくろいが足りていない
猫はみずから毛づくろいをすることで体を清潔な状態に保ちます。そのことから、顔周りの毛づくろいが不十分だと、猫ニキビになりやすいと考えられています。
ただし、口元はとくに汚れやすい部分であるため、毛づくろいだけで清潔な状態を保つのは難しいです。
エサをあたえた直後に口元を清潔な布でふき取ってあげるなど、飼い主が手助けしてあげるとよいでしょう。
ニキビダニによる炎症
ニキビダニはもともと猫の皮膚に存在していますが、健康な状態であればとくに悪さをすることはありません。
しかし、何らかの理由で免疫力が低下した際にニキビダニが原因となる猫ニキビが発生します。
脱毛やかゆみなどの症状がみられるため、愛猫の様子がおかしいと感じたら動物病院で診察を受けましょう。
猫ニキビを予防する方法は?
猫ニキビを予防する方法として有効なものは以下のとおりです。
≪猫ニキビを予防する方法≫
- 食器をガラスや陶器などの傷がつきにくいものに変える
- 食器はこまめに洗う(夏場はとくに雑菌が繁殖しやすいため注意が必要)
- 食べ残したエサや水を置きっぱなしにしない
- 愛猫の体質に合ったフードをあたえる
- 運動などをとおしてストレス解消をはかる
- 動物病院で定期的に健康診断を受ける
猫ニキビを予防する方法はほかにもありますので、愛猫にあった方法で対策してあげましょう。
愛猫のニキビをケアする方法とその注意点
猫ニキビをケアする方法と注意点を解説します。
≪猫ニキビのケア≫
ぬるま湯で濡らした清潔な布やコットンなどで患部をふき取ります。
このとき、黒いプツプツを取ろうと力を入れてはいけません。
力任せにこすってしまうと、症状がさらに悪化する恐れがあります。
また、シャンプーをする際に患部を優しく洗うのも効果があります。
ただし、症状が進行しているケースだとシャンプーやお湯がしみて痛がる恐れもあるため、患部の状態をみておこないましょう。
≪やってはいけない猫ニキビのケア≫
猫ニキビのケアに人間用のニキビ薬を使ってはいけません。
薬を使用する際は獣医師に処方されたものを使いましょう。
また、患部を歯ブラシなどでゴシゴシ洗うのもNGです。
患部に傷がつき細菌感染などのリスクが高まります。
日頃の予防が大切
猫ニキビは軽度であればほとんど症状がないものの、どんどん状態が深刻化する病気のひとつです。
そのため、愛猫が痛い思いをしないためにも、できれば初期段階で治療を受けさせるようにしてください。
また、間違ったケアは症状を悪化させる要因となるため、自身でのケアが不安という方は、かかりつけの獣医師に相談するのがおすすめです。
一日でも早く愛猫から黒いプツプツがなくなるよう、原因の改善と患部のケアを毎日コツコツしてあげましょう。