猫は記憶力が良い?受けた恩を3日で忘れるといわれる理由とは
「猫は3年の恩を3日で忘れる」ということわざを知っていますか?
猫が持つ性質からこのようにいわれているようですが、これだと猫の記憶力が低いといっているようにみえますよね。
では、実際の猫が持つ記憶力はどれほどのものなのでしょうか。
そこで今回は「猫の記憶力」について詳しく解説します。
猫が犬のように芸を覚えない理由についてもご紹介しますので、ぜひ当記事を参考に猫が持つ記憶力の不思議を理解してくださいね。
猫の記憶力はとても優れている
先述したことわざをみると、猫は記憶力に乏しい動物のようにみえます。
しかし、実際はとても記憶力に優れた動物だといわれているのです。
そもそも記憶には、大きく分けて「短期記憶」と「長期記憶」というものがあります。
短期記憶とは、一時的な期間のみ覚えていられる記憶のことです。
一方、長期記憶は簡単に忘れることのない長期間にわたって覚えていられる記憶を指します。
≪短期記憶の例≫
- 初対面の相手の名前を忘れてしまう
- 英単語の勉強をしたがつぎの日には忘れている
- 電話番号を入力するまえでは覚えているが、電話が終わると番号を忘れている など
≪長期記憶の例≫
- 受験勉強時に時間をかけて覚えた英単語
- 資格試験のために何度も読み返した参考書の内容 など
猫はとくに短期記憶が優れているとされ、人間が覚えていられる期間より約20倍も長く記憶できるとされています。
また、猫は自身にとって「嬉しかった・怖かった」などの感情が紐づく記憶を長期記憶として残すのが得意だといわれています。
その反対に、自身にとって興味がないことについて記憶するのは苦手なようです。
これらをまとめると、「猫は短期記憶・長期記憶ともに優れているが、自身の興味がないことに関しては覚えていない」となります。
アメリカで行われた実験では、エサを隠した箱を事前に記憶させ、猫が覚えていられるかを計測したものがあります。
それによると、猫はエサの入った箱を16時間経っても覚えていたそうです。
この実験結果から、猫は短期記憶で覚えたエサのありかを長期記憶として保持することができると証明されました。
もちろん、人間と同じように猫の記憶力にも個体差があるため、一概にはいえないという点には注意が必要です。
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高い記憶力を持った猫が犬とくらべて芸を覚えない理由
記憶力に優れた猫が犬のように芸を覚えようとしないのはなぜでしょうか?その理由として考えられるのが以下の2つです。
猫と犬では人間とのかかわり方が違う
犬は牧羊犬や警察犬のように、人間の仕事を補佐する役割を長い歴史のなかで担ってきました。
その過程で、より人間の指示に忠実な個体を作るため、改良が施されてきたという歴史もあります。
しかし猫は、ねずみ駆除などの面で人間の仕事を補佐してきたものの、それ以外は愛玩目的として飼育されてきた時期が長いため、犬のように主人に忠実な個体を作り出すという改良がそこまでおこなわれてきませんでした。
これらの理由から、人間の指示で芸をすることに喜びを感じる犬と、指示を聞くのが得意ではない猫との間に違いがあると考えられます。
芸に興味がない
猫が芸をしない理由のふたつ目として、そもそも芸自体に興味がないことも原因だといわれています。
ご存じの通り、猫は自由気ままな性格をした動物です。
そのため、人間に指示されて芸をすること自体に興味がないというのです。
先述したように、猫は自身の感情に紐づいた記憶をよく覚えている傾向にあります。
そのため、「芸をしたらエサがもらえる」などの良い記憶と組み合わせることができれば、犬のようにさまざまな芸ができる猫が誕生する可能性はあるといえるでしょう。
「猫は3年の恩を3日で忘れる」といわれているのはどうして?
「猫は3年の恩を3日で忘れる」ということわざがあります。
これは「犬は3日飼えば3年恩を忘れぬ」ということわざと対比になっており、飼い主に忠実な犬と自由奔放な猫との違いをあらわしているようです。
いうまでもありませんが、自分をかわいがってくれた飼い主のことを猫は忘れません。
むしろ「会えなくて寂しい」と感じてくれているはずです。
「久しぶりにあった愛猫がそっぽ向くような素振りをみせた」という話を耳にしますが、それは飼い主さんを覚えていないのではなく、独立心の強い猫の習性や個体による性格の違いが影響しているといえるのではないでしょうか。
正解は誰にもわかりませんが、猫はとても記憶力に優れた動物ですから、ことわざの通りに「3年の恩を3日で忘れる」ということはないでしょう。
猫は記憶力が優れている動物
猫は短期記憶・長期記憶ともに優れた動物であり、とくに自身に有益な記憶は感情とともに長く覚えていられます。
あなたの愛猫はどんな思い出を覚えているのでしょうか?
きっと素敵なことばかりだと思いますので、これからも愛猫が喜ぶことをどんどんしてあげてくださいね。