猫の睡眠パターンと寝床の作り方
猫は1日の大半を寝て過ごす動物ですが、愛猫の睡眠パターンについて詳しく知っていますか? 猫の睡眠は人間とは異なる特徴があり、快適な睡眠環境を整えることが健康維持にとても重要です。 愛猫が質の良い睡眠をとれるよう、猫の睡眠パターンを理解して快適な寝床を用意してあげましょう。
そこで今回は、「猫の睡眠パターンの特徴」や、「猫にとって快適な寝床の作り方」「寝床を作るときの注意点」についてご紹介します。
猫の睡眠パターンの特徴
猫の睡眠時間は人間よりもずっと長く、1日の大半を寝て過ごしますが、その睡眠パターンには独特の特徴があります。 猫の睡眠を理解せずに不適切な環境で過ごさせてしまうと、愛猫の健康に悪影響を及ぼすことも。 猫が健康的な生活を送るには、猫の睡眠パターンに合わせた環境作りが欠かせません。 猫の睡眠パターンには、以下のような特徴があります。
・1日14~16時間ほど眠る(子猫やシニア猫は20時間近く眠ることも)
・浅い眠りと深い眠りを繰り返す
・薄明薄暮性で、明け方と夕暮れ時に活発になる
・安全で静かな場所を好んで眠る
・季節や年齢によって睡眠時間が変化する
・複数の寝床を使い分ける
飼い主さんは愛猫が質の良い睡眠をとれるよう、猫の睡眠パターンを理解しましょう。
次は、「猫の睡眠の種類」を見ていきましょう。
猫の睡眠の種類

猫の睡眠には浅い眠りと深い眠りがあり、それぞれに重要な役割があります。 以下のような睡眠を繰り返すことで、猫は心身の健康を保っています。
浅い眠り(レム睡眠)
猫の睡眠の大部分を占めるのが、浅い眠りである「レム睡眠」です。 レム睡眠中の猫は周囲の音や気配に敏感で、いつでもすぐに目を覚まして行動できる状態にあります。 レム睡眠中の猫には、以下のような特徴が見られます。
・耳や尻尾がピクピクと動く
・目を完全には閉じていないこともある
・体は休んでいるが、脳は活発に働いている
・ちょっとした物音で目を覚ます
レム睡眠は、猫が野生時代に敵から身を守るために発達させた睡眠パターンです。 家猫になった現代でも、この習性は受け継がれています。
深い眠り(ノンレム睡眠)
猫は浅い眠りの合間に、「ノンレム睡眠」と呼ばれる深い眠りにつきます。 ノンレム睡眠は1回あたり5~10分程度と短いですが、体と脳をしっかり休めるための大切な睡眠です。 ノンレム睡眠中の猫には、以下のような特徴が見られます。
・体の力が完全に抜けてリラックスしている
・呼吸が深くゆっくりになる
・物音がしても簡単には目を覚まさない
・体の回復や成長ホルモンの分泌が行われる
深い眠りは猫の健康維持に欠かせないので、ノンレム睡眠中は静かに見守ってあげましょう。
次は、「猫にとって快適な寝床の作り方」を見ていきましょう。
猫にとって快適な寝床の作り方

愛猫が質の良い睡眠をとれるよう、快適な寝床を用意してあげたいですよね。 以下のようなポイントを押さえて、愛猫が安心して眠れる寝床を作りましょう。
安全で静かな場所を選ぶ
猫の寝床を作る場所として、安全で静かな環境を選ぶことが大切です。 猫は警戒心が強い動物なので、人の出入りが多い場所や騒がしい場所では安心して眠ることができません。 猫の寝床に適した場所には、以下のような条件があります。
・人通りが少なく落ち着いた場所
・テレビや家電の音が気にならない静かな場所
・ドアの開閉などの振動が少ない場所
・他のペットに邪魔されない場所
寝床を設置する際は、以下のような点にも注意しましょう。
・エアコンの風が直接当たらない場所を選ぶ
・直射日光が長時間当たらない場所を選ぶ
・トイレや食事場所から離れた場所に設置する
・猫が自由に出入りできるようにする
適切な寝床のタイプを用意する
猫にとって快適な寝床を作るには、適切なタイプの寝床を用意することも重要です。 猫は季節や気分によって寝床を使い分けるので、複数のタイプを用意してあげるとよいでしょう。 猫の寝床には、以下のようなタイプがあります。
・ドーム型ベッド=周りが囲まれているので、安心感が得られる
・オープン型ベッド=開放的で、周囲を見渡しながら休める
・ハンモック型ベッド=窓際などに取り付けて、日向ぼっこしながら眠れる
猫の寝床を選ぶ際は、以下のような点を考慮しましょう。
・愛猫の体のサイズに合ったものを選ぶ
・丸洗いできる素材のものを選ぶ
・季節に応じて素材を変える(夏は通気性の良いもの、冬は保温性の高いもの)
・高齢猫には出入りしやすい形状のものを選ぶ
季節に合わせた環境を整える
猫が快適に眠れるよう、季節に合わせて寝床の環境を整えることも大切です。 猫は暑さや寒さに敏感なので、季節ごとに適切な温度管理を行いましょう。 季節ごとの寝床の環境作りには、以下のような工夫があります。
・夏=通気性の良い素材の寝床を用意し、涼しい場所に設置する
・冬=保温性の高い素材の寝床を用意し、暖かい場所に設置する
・梅雨=湿気がこもらないよう、定期的に寝床を干して乾燥させる
以下は、季節に合わせた環境作りの注意ポイントです。
・エアコンや暖房器具の温度を適切に設定する(猫の適温は20~28度)
・こたつやヒーターなど熱源の近くに寝床を置く場合は、低温やけどに注意する
・夏場の冷房で体が冷えすぎないよう、毛布なども用意しておく
次は、「猫の寝床を作るときの注意点」を見ていきましょう。
猫の寝床を作るときの注意点
愛猫のために快適な寝床を作る際は、いくつかの注意点があります。 以下のようなポイントに気をつけて、愛猫が安心して眠れる環境を整えましょう。
複数の寝床を用意する
猫の寝床を作る際は、複数の寝床を用意することをお勧めします。 猫は気分や季節、時間帯によって寝床を使い分ける習性があるため、選択肢を用意してあげることが大切です。 複数の寝床を用意する際は、以下のような場所に設置しましょう。
・高い場所(キャットタワーの上など)
・静かで暗い場所(クローゼットの中など)
・日当たりの良い場所(窓際など) ・飼い主さんの近く(ベッドサイドなど)
定期的に清潔に保つ
猫の寝床は、定期的に清潔に保つことが重要です。 不衛生な寝床は、愛猫の健康に悪影響を及ぼすだけでなく、寝床を使わなくなる原因にもなります。 寝床を清潔に保つためには、以下のような対策を行いましょう。
・週に1回は寝床をブラッシングして抜け毛を取り除く
・月に1~2回は洗濯して清潔に保つ
・汚れやニオイが気になったらすぐに洗う
・天気の良い日は天日干しをして殺菌する
猫が快適に眠れる寝床を作ろう

猫の睡眠パターンには独特の特徴があり、1日の大半を浅い眠りと深い眠りを繰り返しながら過ごしています。 愛猫が質の良い睡眠をとれるよう、安全で静かな場所に快適な寝床を用意してあげましょう。 愛猫の好みや季節に合わせて複数の寝床を用意し、定期的に清潔に保つことで、猫がより健康で幸せな生活を送れそうですね!