犬の老化のサインを見逃さないで!シニア犬に気をつけること
やんちゃな子犬だった愛犬が成犬になり月日が流れると、いずれは迎えるシニア期。
愛犬が健やかなシニア期を過ごすためには、「老化のサイン」を見逃さずシニア犬に適したケアを行うことが大切です。
しかし愛犬の「老化のサイン」は、注意深く様子を見ていないと飼い主さんでも気づかないこともあるかもしれません。
そこで今回は、「犬の老化のサイン」や「シニア犬(老犬)に気をつけること」について解説します。
犬はいつからシニア(老犬)になる?
犬はいつからシニア(老犬)になるのでしょうか?
人間の「高齢者」とは65歳以上の人を指しますが、犬の「シニア」や「老犬」には、はっきりとした年齢や定義はありません。
一般的に犬は7~8歳でシニアになるといわれていますが、老化のサインが少しずつあらわれてくる年齢は犬種によって大きく異なります。
犬が「シニア(老犬)」と呼ばれるのは、犬種別に以下のような年齢が目安になります。
- 超小型犬・小型犬は11歳以上
- 中型・大型犬は8歳以上
- 超大型犬は6歳以上
ただし犬の老化には個体差があるため、上記のシニア犬の年齢はあくまでも参考程度にしかなりません。
愛犬の老化のサインに気づいてあげられるのは飼い主さんだけなので、日ごろから愛犬の様子を注意深く観察するようにしましょう。
まずは犬の老化のサインにはどのようなものがあるのか見ていきましょう。
犬の老化のサイン
犬がシニア期に入り老化が進んで行くと、さまざまな病気にかかりやすくなるもの。
そんなシニア犬に適したケアを始める目安になるのが、愛犬の「老化のサイン」です。
愛犬の老化のサインに早く気づいてあげると、病気の予防や悪化を防ぐことにもつながり、さらには愛犬が健康で長生きできる可能性も広がるでしょう。
犬の老化のサインは「体に起こるもの」と「行動にあらわれるもの」の2種類。
犬の「体に起こる老化のサイン」は、次のようなものが挙げられます。
体に起こる老化のサイン
- 歯の黄ばみ、歯周病、口臭などの口腔内のトラブル
- 被毛のパサつき、抜け毛の増加、色が白っぽくなる、などの被毛の変化
- 皮膚にハリやツヤがなくなる
- 目が白っぽくなる、目ヤニが増える
- イボのようなものができる
- 鼻がカサカサに乾燥する
- お尻の筋肉が落ちて小さくなる
上記のような老化のサインは、加齢で犬の生理的機能が低下することによって起こります。
ただし犬の体に起こる「老化のサイン」は病気の症状のこともあり、動物病院を受診しないと判断が難しいケースも。
「イボ」に見える愛犬のできものが悪性腫瘍の場合もあるので、少しでも気になることがあれば早めに獣医師の診察を受けましょう。
次は犬の行動にあらわれる老化のサインを見ていきましょう。
行動にあらわれる老化のサイン
- 動きがにぶくなる
- モノにぶつかったり段差が苦手になったりする
- お散歩を嫌がる
- 声をかけたときの反応がにぶくなる
- 食事に時間がかかる
- お漏らしをしてしまう
- 睡眠時間が長くなる
- 急に食欲不振になったり旺盛になったり、と食欲が変化する
上記の犬の老化のサインも、単なる老化現象ではないケースもあります。
愛犬の「老化のサインが急激に始まった」、「急に元気がなくなり、一気に老け込んだ」場合は病気の可能性も考えられるので早めに動物病院を受診しましょう。
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シニア犬(老犬)に気をつけること
愛犬に老化のサインが見られたら、飼い主さんは「いよいよシニア犬の仲間入りか…」と感慨深くなるもの。
そして愛犬にできるかぎり長く元気に過ごして欲しい、と願うのではないでしょうか。
シニア期の愛犬の健やかな生活のためには、次のようなことに気をつけましょう。
定期的な健康診断
愛犬がシニア犬(老犬)と呼ばれる年齢が近づいてきたら、定期的な健康診断を受けるようにしましょう。
老化のサインや異常が見られない愛犬でも、定期的に健康診断を受けることで病気の早期発見や予防ができる可能性が高くなります。
シニア期の犬の健康診断は少なくとも半年に1回は受けることをおすすめします。
家庭での健康チェック
愛犬の老化のサインに早く気づくためにも、次のような健康チェックを毎日の習慣にしましょう。
- 食事・排泄の状態をしっかりと確認する
- ブラッシングしながら被毛や皮膚の状態を見る
- 歯磨きしながら口の中や歯や口臭をチェック
- スキンシップしながら目や耳の周り、体全体に違和感がないかチェック
上記の中で気づいたことは動物病院で診察を受ける際に有益な情報になるので、獣医師に正確に伝えましょう。
散歩と運動
老犬になると体力や筋力の低下のため、大好きだった散歩や運動がおっくうになることも。
しかし散歩や運動はシニア犬の気分転換や健康維持のためにも必要なので無理のないように続けましょう。
またシニア犬のお散歩は負担になる段差や坂道のあるコースは避け、安全で愛犬が楽しめるものにしてあげましょう。
くつろげる環境づくり
シニア犬(老犬)には安心してくつろげる環境も大切です。
日当たりや通気性のよい場所にベッドなどを置き、快適な室温をキープして愛犬がくつろいで過ごせるようにしてあげましょう。
また老犬のケガを防ぐために室内の段差などもできるだけなくし、フローリングには滑り止めマットを敷くなどの配慮も必要です。
シニア犬(老犬)のフード
シニア犬(老犬)には食事もとても大切です。
シニア犬用のフードは、脂質を控えめにしつつシニア期の犬に適した栄養を摂取できるよう配慮されています。
また歯の状態が悪くなっているシニア犬には、粒が小さくやわらかいタイプのフードやふやかしたドライフードを与えましょう。
いつまでも健康でいれるように
獣医療の発達やフードの質の向上などにより犬の寿命は長くなりましたが、やはり愛犬には1日でも長く元気で生きてもらいたいものです。
愛犬の老化のサインを見逃さずシニア犬に適したケアをしてあげると、病気の予防や悪化を防ぐことにもつながります。
シニア期の愛犬の健やかな老後のために、定期的な健康診断や食事や運動のほか快適な環境づくりなどのサポートを心がけましょう。