猫のフレーメン反応とは?そのメカニズムを徹底解説
猫がみせる不思議な行動のひとつに「フレーメン反応」があります。
おそらくほとんどの飼い主さんが気に留めないこの行動ですが、猫にとってはとても重要な意味があります。
そこで今回は「猫のフレーメン反応」について詳しく解説します。
猫を飼っていても、フレーメン反応がどんなものなのか把握している飼い主さんは多くないと思います。
愛猫が取る不思議な行動のメカニズムをしっかりと理解しておきましょう。
「フレーメン反応」とは
フレーメン反応とは、特定の生物がニオイを嗅いだ直後にみせる生理現象のことです。
主に、上唇から歯茎がみえる状態で口を半開きにし、ぽーかんと気が向けたような表情をしているのが特徴です。
猫がみせるかわいらしくも不思議な行動のひとつとして有名なフレーメン反応ですが、猫以外にも、馬・羊・犬・トラ・ライオンなどが同様の行動をみせるといわれています。
フレーメン反応によってみせる表情は動物ごとで異なっており、猫がぽーかんとした表情を浮かべる一方で、馬は歯茎を出して震わせるなど、それぞれに特徴があります。
猫も個体によって表情に違いがあるため、多頭飼いしている飼い主さんは、それぞれどんな表情をしているのか観察してみましょう。
フレーメン反応のメカニズムとは?どんなときに反応するの?
猫がフレーメン反応を示す理由として考えられているものを3つご紹介します。
フェロモンを確認している
猫をはじめとする特定の動物には、フェロモンを感じ取る役割を果たす「ヤコブソン器官(鋤鼻器)」が備わっています。
そのことから、猫がフレーメン反応を示しているときは、ヤコブソン器官を通してフェロモンを感じ取っている状態だといわれています。
ちなみに、ヤコブソン器官は鼻ではなく奥歯の裏側付近に位置する部位です。
そのため、猫がフレーメン反応を示す際に口を開けっ放しにするのは、より多くのフェロモンを感じ取ろうとしているからだと考えられています。
ニオイを嗅ぎ分けている
フェロモンを感じる以外にも、はじめて触れるニオイを嗅ぎ分ける際もフレーメン反応を示します。
例をあげると、飼い主以外の人間やほかの動物のニオイを嗅いだときによくみられます。
未知のニオイに対する興味からくるものなので、動物としての本能からみせる行動のひとつとして考えるとよいでしょう。
安全性を確かめている
ニオイによって安全性を確かめる際もフレーメン反応を示します。
猫はとてもナワバリ意識が強い動物です。
そのため、自身のナワバリに見知らぬニオイが入ってきたら、それが安全なニオイなのか調べようとします。
また、猫はニオイを用いたマーキングによって自身のナワバリを主張します。
そのことから、「自身のニオイがする=安全」「ほかのニオイがする=危険」と認識しているわけです。
飼い主がほかの動物と遊んだあと、猫がニオイを執拗に嗅ごうとしてくるのは、このような猫の特性からくるものだといえます。
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フレーメン反応で気をつけたいポイント
猫のフレーメン反応は先述したように生理現象のひとつです。
しかし、マタタビなどを用いることで、人為的にフレーメン反応を発生させやすくできるといわれています。
ただし、このような行為は猫の体調不良を引き起こす可能性があるため大変危険です。
フレーメン反応の際にみせる表情はとてもかわいらしいものですが、あくまで生理現象ですので、飼い主のエゴで無理やり引き出そうとするのはやめましょう。
猫にとって刺激の強いニオイがするものをいくつかご紹介します。フレーメン反応をみるためだけでなく、日頃からこれらの物と猫が接近しないよう注意してください。
≪猫にとって刺激が強いニオイを発する物≫
- 柑橘類
- アロマ、ハーブ製品
- 香辛料
- タバコ
- 洗剤(柔軟剤)
- 蚊取り線香
- メントール
- コーヒー など
これらはニオイだけでなく、猫が口にすることで体調を崩す可能性が高いものとなっています。
くれぐれも誤食が発生しないよう、猫の手が届かない場所に置くなど万全の対策をしましょう。
愛猫を観察してみよう!
フレーメン反応を引き起こす理由にはさまざまなものがあり、猫が生活するうえでどれもかかすことのできない大切な要素となっています。
はじめてフレーメン反応をみた飼い主さんは不安に感じるかもしれませんが、生理現象のひとつなので心配しなくても大丈夫です。
ただし、フレーメン反応の際にみせる表情がかわいいからといって、無理やり刺激物を猫に嗅がせるのは危険な行為となるため絶対にやめましょう。
猫がみせる不思議な行動であるフレーメン反応。
愛猫はどのような表情をしているでしょうか?もし機会があればしっかりと観察してみてくださいね。