猫の目がオッドアイになる原因と飼育する際に注意すべきポイント
ごく稀に見かけることがある猫のオッドアイ。左右で異なる色彩がみせる幻想的な瞳は、純白の被毛と相まってより猫を神秘的に感じさせてくれます。
しかし、なぜ瞳の色が異なるオッドアイの個体が誕生するのでしょうか?また、オッドアイを持つ個体を飼育する際に注意すべき点は何なのでしょうか?
そこで今回は「猫の目がオッドアイになる原因と飼育する際に注意すべきポイント」について解説します。
オッドアイの猫がいることをはじめて知ったという方はもちろん、現在飼育している方にも役立つ情報が載っていますので、ぜひ最後までご覧ください!
オッドアイになる原因
オッドアイは虹彩異色症(こうさいいしょくしょう)とも呼ばれ、猫だけでなく犬や人間にもみられます。
虹彩異色症という難しい名称のため病気のように感じられますが、あくまで瞳の色が左右で違う状態をあらわすものであり、必ずしも目に疾患があるとは限りません。
猫の目がオッドアイになる原因
オッドアイが発生する原因として考えられているのが遺伝子の突然変異です。
生まれたばかりの子猫は「キトンブルー」と呼ばれる淡い青色の瞳をしています。本来であれば、そこからゴールドやイエロー、グリーンなど、親猫の目の色に近いものへ変化していくのが一般的です。
しかし、その過程で片方の目だけに遺伝子の情報がうまく伝達されないことがあり、その状態で目の色が固定されてしまった個体をオッドアイといいます。
オッドアイはどんな猫にも発生するものですが、とくに色素が薄い白猫に多くみられることがわかっており、白猫の約25%がオッドアイとして生まれるとする説もあるようです。
また、オッドアイには遺伝子の突然変異による先天性のものと、緑内障やケガなどを原因とする後天性のものがあり、後者の場合は猫の健康状態に異常がある可能性が高いため、速やかに獣医師による診察を受けるよう推奨されています。
オッドアイの猫は寿命が短いってホント?
「オッドアイの猫は寿命が短い」といわれることがあります。しかしながら、これは明確なデータによるものではなく、あくまで噂の域を出ないものです。
ではなぜこのような噂が立っているのでしょう。その原因として考えられている説をご紹介します。
聴覚障害を持つ個体が多いから
オッドアイを持つ個体の多くが聴覚障害を患う可能性が高いといわれています。
その割合は4割ほどとされており、とくにブルーの瞳を持った白猫は症状が出やすいと考えられています(※ブルーの瞳側に位置する耳に症状が出やすいといわれている)。
なぜ聴覚障害を患うのかについては解明されていません。一説には、体全体を白くする「W遺伝子」が耳の器官形成に何らかの影響をあたえていると考えられています。
家で飼われている猫の場合であれば聴覚障害があっても一概に短命とはいえないでしょう。しかし野良猫なら話は別です。
野良猫は聴覚から得る情報で身の危険を察知します。そのため、聴覚障害は野生下で生存するうえで大きなハンデとなります。
このことから「オッドアイを持つ野良猫は聴覚障害によって身の危険を察知するのが困難なため短命になりやすい」と考えられているようです。
もちろん、白猫かつブルーの瞳を持つ猫すべてに聴覚障害がみられるわけではありません。
ただし発症リスクが高いことは間違いないため、愛猫の行動や仕草がおかしいと感じたら獣医師による診察を受けましょう。
オッドアイの猫を飼う際に注意すべきこと
紫外線に気をつける
オッドアイは目のメラニン色素が少ないことで発生します。そのため、紫外線による強い刺激は、白内障や緑内障などの病気を誘発する原因になるといわれています。
日向ぼっこが好きな猫も多いですが、長時間にわたって紫外線を浴びるのはよくありませんので、寝床やキャットタワーは日陰になる場所に置く、定期的にカーテンを閉めるなどの対策を講じましょう。
室内飼いを徹底する
オッドアイの猫は聴覚障害を持っている可能性が高いため、完全室内飼いを徹底するのが望ましいといわれています。
仮に逃げてしまった場合、聴覚障害を持った状態では、外の世界での生活に耐えられない可能性があります。
猫はちょっとした隙間から逃げてしまいますので、窓やドアなどを開けっ放しにしないよう注意しましょう。
まとめ
オッドアイは猫の魅力をより引き立ててくれる要素のひとつです。しかしそれと同時に、飼育するうえで注意すべきことも増えていきます。
現在すでにオッドアイの猫を飼育している方もいると思いますので、ぜひこの機会に紫外線予防や逸走防止の対策をしてください。
目の病気を患うと愛猫の生活はとても不便になります。できることから対策を講じ、少しでも異変を感じたら、かかりつけの獣医師へすぐに相談するようにしましょう。