愛猫の健康を守る季節ごとのケアガイド

四季の変化に伴い、猫の体調や行動にも変化が現れます。 季節ごとの適切なケアを怠ると「熱中症や低体温症のリスク」「皮膚トラブル」など、愛猫の健康に悪影響を及ぼすことも。 季節の変わり目や気候の変化が激しい時期は、愛猫に合わせた健康管理で快適に過ごせる環境を整えてあげましょう。
そこで今回は、「季節ごとに気をつけるべき猫の健康リスク」や、「春夏秋冬それぞれのケアのポイント」「季節に応じた生活環境の整え方」についてご紹介します。
季節ごとに気をつけるべき猫の健康リスク
猫にとって快適な環境を保つことは健康維持に欠かせませんが、季節の変化に合わせたケアは見落とされがちです。だからといって同じケアを一年中続けるだけでは、愛猫は季節特有の健康リスクにさらされてしまいます。季節に応じた適切なケアを行わないと、猫の健康にさまざまな悪影響をもたらしかねません。
季節ごとのケアを怠ると起こる可能性のある健康リスクとは、以下のようなものです。
・熱中症や脱水症状を引き起こす
・低体温症や関節の痛みが悪化する
・換毛期の毛球症リスクが高まる
・皮膚の乾燥やアレルギー症状が悪化する
・季節の変化によるストレスで食欲不振や体調不良になる
・寄生虫や感染症にかかるリスクが高くなる
飼い主さんは愛猫が一年を通して健康的な生活を送れるよう、季節に合わせたケアをしっかりと行いましょう。
次は、「春のケアのポイント」を見ていきましょう。
春のケアのポイント

愛猫には、春特有の健康リスクに備えて快適に過ごせる環境を整えてあげたいですよね。 以下のようなケアで、愛猫の春の健康を守りましょう。
換毛期のブラッシング
「換毛期のブラッシング」は、春の猫のケアで最も重要なポイントです。猫は春になると冬毛から夏毛に生え変わるため、抜け毛の量が一気に増加します。
「換毛期のブラッシング」は、毛球症の予防や皮膚の健康維持にも最適です。「換毛期のブラッシング」は、愛猫の毛質に合ったブラシを使って、優しく丁寧に行うだけ。
このときに使用するブラシは、「換毛期のケア」に適した、抜け毛を効率的に取り除けるタイプを選んでください。
「換毛期のブラッシング」は、以下のような手順で行いましょう。
・愛猫がリラックスしている時間帯を選ぶ
・背中から腰にかけて優しくブラッシングする
・お腹や脇の下など抜け毛が溜まりやすい部分も丁寧にブラッシングする
・ブラッシング後は褒めてあげて、オヤツをあげる
以下は、「換毛期のブラッシング」の注意ポイントです。
・無理に引っ張らず、優しく丁寧にブラッシングする
・嫌がる場合は短時間から始めて、徐々に慣らしていく
・皮膚に異常がないか、ブラッシング中にチェックする
ノミ・ダニ対策
春の猫のケアとして、「ノミ・ダニ対策」もお勧めです。
暖かくなる春は、ノミやダニなどの寄生虫が活発になる季節です。春の「ノミ・ダニ対策」には、下記のような予防方法をお勧めします。
・動物病院で処方される予防薬を定期的に投与する
・室内を清潔に保ち、こまめに掃除機をかける
・猫用ベッドや毛布を定期的に洗濯する
「ノミ・ダニ対策」は、以下のような手順で行いましょう。
・動物病院で愛猫に適した予防薬を処方してもらう
・獣医師の指示に従って定期的に投与する
・愛猫の体を触って、寄生虫がいないかチェックする
・異常を発見したらすぐに動物病院を受診する
以下は、「ノミ・ダニ対策」の注意ポイントです。
・予防薬は必ず猫用のものを使用する
・完全室内飼いでも予防対策は必要
・外出する飼い主さんが寄生虫を持ち込む可能性があることを忘れない
・多頭飼いの場合は全ての猫に予防対策を行う
アレルギー対策
「アレルギー対策」も、春の猫のケアとして重要です。春は花粉やハウスダストが増える季節で、猫もアレルギー症状を起こすことがあります。
「アレルギー対策」には、以下のような方法があります。
・空気清浄機の設置=花粉やハウスダストを除去するため、HEPAフィルター搭載の空気清浄機を設置する
・こまめな換気と掃除=窓を開けて換気する際は花粉の少ない時間帯を選び、掃除はこまめに行う
・猫の足裏を拭く=外から帰宅した際は、猫が触れる前に床を拭き、猫の足裏も優しく拭いてあげる
以下は、「アレルギー対策」の注意ポイントです。
・くしゃみや目のかゆみなどのアレルギー症状が出たら、すぐに動物病院を受診する
・人間用のアレルギー薬は絶対に使用しない
・加湿器で適度な湿度を保ち、アレルゲンの飛散を抑える
いずれのアレルギー対策でも愛猫の様子をよく観察し、異常があればすぐに獣医師に相談しましょう。
次は、「夏のケアのポイント」を見ていきましょう。
夏のケアのポイント

暑い夏は熱中症のリスクが高まるため、愛猫の体調管理には特に注意が必要です。以下は、そんな夏の季節にお勧めのケアのポイントです。
熱中症対策
夏の猫のケアで最も重要なのが「熱中症対策」です。猫は汗をかけないため体温調節が苦手で、室温が高いと熱中症になるリスクが高まります。
「熱中症対策」として、室温を26〜28度に保ち、エアコンで快適な環境を整えてあげましょう。また、愛猫がいつでも新鮮な水を飲めるよう、複数の場所に水飲み場を設置することも大切です。さらに、ひんやりマットや冷感ベッドなどの冷却グッズを活用すると、愛猫が自分で涼める場所を選べるようになりますよ。
水分補給の工夫
猫の夏のケアとして、しっかりと水分を摂取させる工夫も重要です。猫はもともと水をあまり飲まない動物ですが、夏は脱水症状のリスクが高まります。
水分補給を促すために、流れる水を好む猫には自動給水器を設置したり、ウェットフードの割合を増やしたりするのが効果的です。また氷を一つ水に浮かべると、興味を持って水を飲む猫もいますので試してみてください。
秋のケアのポイント

秋は気温の変化が大きく、愛猫の体調管理に注意が必要な季節です。秋特有の健康リスクに備えて、以下のようなケアを行いましょう。
体重管理と食欲の調整
秋の猫のケアとして、「体重管理と食欲の調整」が重要です。秋は気温が下がり始め、猫の食欲が増加する季節です。冬に備えてエネルギーを蓄えようとする本能から、食べ過ぎて肥満になるリスクが高まります。
「体重管理と食欲の調整」では、愛猫の体重を定期的にチェックし、適切な食事量を維持することが大切です。急に食欲が増した場合は、低カロリーのオヤツに切り替えたり、食事の回数を増やして一回の量を減らしたりする工夫をしましょう。 適度な運動も取り入れて、健康的な体重を維持してあげてください。
換毛期のケア(秋)
秋も春と同様に、「換毛期のケア」が必要な季節です。秋は夏毛から冬毛へと生え変わる時期で、再び抜け毛が増加します。
こまめなブラッシングで抜け毛を取り除き、毛球症を予防しましょう。また、ブラッシング中に皮膚の状態もチェックして、乾燥や炎症がないか確認してください。
冬のケアのポイント

寒い冬は、愛猫が快適に過ごせるよう温度管理や健康チェックが重要になります。以下のようなケアで、愛猫の冬の健康を守りましょう。
寒さ対策と保温
「寒さ対策と保温」は、冬の猫のケアで最も大切なポイントです。猫は寒さに弱い動物で、特にシニア猫や子猫、短毛種は体温を保ちにくい傾向があります。
室温を20〜23度に保ち、エアコンやヒーターで快適な環境を整えてあげましょう。また、猫用のベッドに毛布やブランケットを敷いたり、ペット用ホットカーペットを活用したりするのも効果的です。
ただし、低温やけどを防ぐため、ホットカーペットには必ずカバーをかけ、温度設定に注意してください。
関節ケアと運動
冬の猫のケアとして、「関節ケアと運動」も忘れてはいけません。寒さで筋肉が硬くなり、関節に負担がかかりやすくなるため、特にシニア猫は注意が必要です。
室内を暖かく保つことはもちろん、適度な運動で筋肉や関節の柔軟性を維持しましょう。 キャットタワーや遊びを通じて、無理のない範囲で体を動かす機会を作ってあげてください。
季節に合わせた愛猫の健康管理

季節の変化に応じた適切なケアを怠ると、愛猫の心身にさまざまな健康リスクが起こりやすくなります。愛猫が一年を通して快適に過ごせるよう、春夏秋冬それぞれの季節に合わせた健康管理を行ってあげましょう。
季節ごとのケアをしっかりと行いながら愛猫との時間を大切に過ごすと、飼い主さんとの信頼関係もさらに深められそうですね!