愛猫の行動やコミュニケーションから気持ちを理解するためのヒントとテクニック
愛猫の行動やコミュニケーションは、彼らの感情を知る大きなヒントになります。しかし、それらを正確に理解するのはとても難しいことです。
そこで今回は、猫が飼い主にみせる、自身の気持ちを伝えるための行動やコミュニケーション法をご説明したうえで、愛猫の気持ちを理解するためのヒントとテクニックについてご紹介します。
愛猫の鳴き声や体の動きが何を意味するのか理解することで、あなたと愛猫との関係もより密接なものになります。
「愛猫の気持ちがわからない」「もっと仲良くなりたい」という飼い主さんは、ぜひ当記事を参考にしてください。
猫の行動とコミュニケーションの基本
猫は人間のように言葉を用いて自身の気持ちを伝えることができません。そのため、ボディランゲージや特定の行動から飼い主とのコミュニケーションを図ります。
今回は猫がみせるコミュニケーションとしての行動をいくつかご紹介します。愛猫の気持ちを理解する際の指標としてお役立てください。
ボディランゲージを用いた行動
先述したように、猫はボディランゲージを用いてみずからの気持ちを表現します。そのなかでも、猫の感情がわかりやすい体の部位として耳と尻尾があげられます。
どのような動き(行動)が猫の感情を示しているのか、耳と尻尾のそれぞれで解説しますので、これらを参考に愛猫の行動を観察してみてください。
【耳の動きからわかる猫の気持ち】
●耳が前方に向いている
猫の耳が前方に向くのは、興味や好奇心を示しています。何かに注意を向け集中している状態です。
●耳が横や少し後ろに向いている
耳が横に向いたり、少し後ろに回っているときは、猫が不安や緊張、または苛立ちを感じている可能性があります。
●耳が完全に後ろに倒れている
耳が後ろに完全に倒れている場合、極度の恐怖を感じている、または攻撃的な態度を示しています。
●耳が平らになって頭に密着している
耳が頭にぴったりと密着し、平らになっているときは、猫が強い恐怖を感じていることを示しています。
【尻尾の動きかわかる猫の気持ち】
●尻尾を高く持ち上げられている
尻尾が高く空中に持ち上げられているときは、猫が満足している状態を表しています。この行動は、リラックス状態にあるときにもみられます。
●尻尾を軽く振っている
尻尾を軽く振っているときは、猫が遊びたい気持ちや興奮している状態を示しています。この動きは、飼い主やほかの猫(動物)を遊びに誘う際にもよくみられます。
●尻尾をピンと張り振っている
尻尾をピンと張って激しく振っているときは、猫がイライラしているか、怒っていることを示しています。この状態の猫に近づくときは注意が必要です。
●尻尾が体の下に巻き込まれている
尻尾が体の下に巻き込まれているときは、猫が非常に不安や恐れを感じていることを示しています。この行動は、猫が自分を守ろうとしているときに取る姿勢のひとつです。
鳴き声を用いたコミュニケーション
ボディランゲージ以外にも、鳴き声から猫の気持ちを推測することができます。
●「ニャー」と短く鳴く
「ニャー」と短い鳴き声は、猫がリラックスしていて幸せを感じているときによく発するものです。この鳴き声は親しみやすさや安心感を表しており、飼い主やほかの猫との穏やかなコミュニケーションを示しています。
●「ミャオミャオ」と鋭く鳴く
「ミャオミャオ」と鋭い鳴き声は、猫が興奮しているか、過度なストレスを感じているサインです。急に驚かされたときや、攻撃的な気持ちのときにこのような鳴き声を発することがあります。
●「ゴロゴロ」と喉を鳴らす
「ゴロゴロ」という音は、猫が幸せで満足しているときに発する音です。猫が飼い主と一緒にいるときや撫でられているときによく聞かれるこの音は、心からリラックスしていることをあらわしています。
●「シャーッ」という唸り声
「シャーッ」という唸り声は、猫が恐怖から攻撃的な気持ちになっている際に発する鳴き声です。ほかの猫や人からの脅威を感じたときにこの音を発し、相手に警告することがあります。
愛猫の行動やコミュニケーションを理解するためのヒントとテクニック
猫がみせる行動やコミュニケーションから、その気持ちを理解するために必要なヒントや、愛猫とより良い関係を築くうえで重要となるテクニック(施策)をご紹介します。
愛猫が快適に過ごせる環境を整える
愛猫が安心してリラックスできる環境を作ることが、より良いコミュニケーションを育むうえで大切です。
猫は環境の変化に敏感な動物であるため、安全で安心できる場所だと感じさせることが、心を開かせる第一歩です。
猫はとても聴覚に優れているため、大きな音で驚かせることがないよう注意してあげましょう。
愛猫の行動をよく観察し適切に対応する
愛猫がみせるさまざまな行動に注意を払い、それに応じて自分の行動を調整することが、良好なコミュニケーションを築く鍵です。
先述したように、猫はボディランゲージや鳴き声を用いてみずからの感情を表現します。そのため、これらのサインを見逃さずチェックすることで、愛猫の気持ちを推測できます。
ボディランゲージや鳴き声だけでなく、猫が置かれた状況なども考慮したうえで、どのような感情を抱いているのか考えてあげるとよいでしょう。
定期的に健康管理をおこなう
猫の異常な行動は病気やケガなどの健康問題から来ることがあります。そのため、定期的な健康チェックをおこない、問題がみられた場合は迅速な対応が必要です。
健康診断の回数は猫の年齢や健康状態によって違いますが、成猫なら年に1回、7歳以上のシニア猫なら年に2回を目安に受診するとよいでしょう。
愛猫とより良い関係を築くために
猫の行動とコミュニケーションを理解することは、愛猫と健全な関係を築くうえでとても大切です。
今回ご紹介した、猫がみせる行動やコミュニケーションの例をヒントに、ぜひ愛猫の行動をじっくり観察してみてください。
愛猫とより良い関係を築くためにも、一つひとつの行動やコミュニケーションの意味を考えてあげてくださいね。