なぜ猫は夜になると活発になるのか?夜行性行動の理由と対処法
夜遅くに突然の物音で目が覚めたことはありませんか?愛猫が何をしているのか気になって眠れない夜を過ごしている飼い主さんもきっと多いでしょう。
では、なぜ猫は夜になると活発になるのでしょうか?そこで今回は、夜行性の行動を示す猫の本能とその要因を掘り下げ、夜間の騒音に効果的に対処する方法をご紹介します。
愛猫との生活をより快適なものにするためのヒントとして、ぜひ当記事を参考にしてください。
猫が夜になると活発になる理由は?猫の習性を理解しよう
猫が夜に活発になるのは、動物としての習性が大きく関係しています。今回は5つの項目について解説しますので、夜に愛猫が取る行動がどのような理由からおこなわれているのか理解しましょう。
生物学的な背景
猫が夜に活発化するのは、ペットとして飼育されている猫たちの祖先にあたるリビアヤマネコが、夕方~明け方にかけて活動する「薄明薄暮性(はくめいはくぼせい)」という特性を持っていたことに由来します。
リビアヤマネコは、獲物がもっとも活動的な夕方~明け方にかけて活動することで、自身を狙う捕食者から身を守りやすくするだけなく、暗闇に乗じて効率的に狩りをしていたといわれています。
現代の家庭猫にもこの習性が受け継がれていることから、明け方近くになると活動的になると考えられています。
昼間に多くの休息を取っている
猫は一日の大部分を睡眠で過ごします。とくにペットとして飼育されている猫は、安全な環境での生活が保証されているため、昼間はリラックスして眠る時間が多くなります。夜になると休息から回復したエネルギーを発散する必要があり、活動的になるのはそのためです。
環境の静寂性
夜間は日中と比べて室内の騒音が少なく、静かな環境を好む猫に適した状態です。そのため、日中より警戒心を解いた状態で猫が周囲を探索しやすくなります。その結果、新しい発見や探検、遊びを夜間にみつけてしまい、それに夢中になってしまうようです。
快適な気温
猫は高温多湿の環境が苦手であり、とくに夏場は日中の高温を避けて活動します。一方、夜間は気温が下がり活動しやすい環境になるため、行動が日中より活発化すると考えられています。
飼い主の生活リズム
多くの家庭では、飼い主が日中は仕事などで家を留守にすることが多く、夜になると家族が集まります。猫は家族の活動時間に合わせて自身のリズムを調整することがあるため、飼い主の生活リズムに合わせて夜間に活動していると考えられます。
愛猫の夜間活動への対処法
猫の夜間活動への対処法を5つご紹介します。取り入れられるものからぜひ試してみてください。
猫が過ごす夜間の環境を整える
夜間の猫の行動を抑制するうえで、環境の調整はとても有効です。とくに、寝床は猫が安心して休むことができる、静かで薄暗い場所に設置するのがおすすめです。
また、夜間の照明はできるだけ暗くして、猫が自然に睡眠できる状態にするよう推奨されています。
日中の行動による夜間活動の抑制
日中におこなう活動の量を多くすることで、夜間活動を減らす効果が期待できます。これには、適切な遊び時間の設定が必要であり、パズルなどの知育おもちゃも有効な遊びのひとつです。
食事タイミングの調整
猫の食事時間を適切に管理すると、夜間活動を軽減させることができます。食事を夕方にあたえることで、猫は夜間に安心して休むことができ、過剰な活動を抑えることが可能です。
この方法は、食後に眠気を感じやすいという猫の習性に基づいています。
快適な運動スペースを作る
猫が室内で安全かつ自由に運動できるスペースを確保することで、日中に十分な運動をおこなうことが可能です。キャットタワーやキャットウォークなど、猫が登ったり隠れたりすることができる環境を作ることで、そのエネルギーを効果的に消費させ、夜間の過剰な活動を防ぐことができます。
ストレス要因の排除
猫のストレスは夜間の過活動に繋がることが多いため、環境からのストレス要因を取り除くことが重要です。例えば、家の中での騒音を減らしたり、ほかのペットとの不要な接触を避けたりすることで、猫がリラックスして穏やかに過ごせるようになります。
夜になると行動が活発になる猫とうまく付き合うためには
夜に行動が活発になる猫と生活していると、夜中に騒音が発生するなど、飼い主にとって辛い部分も多いかもしれません。
そんな飼い主さんは、当記事でご紹介したとおり、夜間の環境を整えることからはじめ、寝床は静かで暗い場所に設置し、照明は控えめにして睡眠を促す、十分に運動する機会をあたえるなど、愛猫が自然に夜の時間を過ごせる状況を作ってあげてください。
対策を講じてすぐに夜間の問題行動が解決するとは限りませんが、愛猫の様子を観察しながら根気強く付き合っていきましょう。