猫にブラッシングが必要といわれる理由は?適切な手順やコツを徹底解説
猫の被毛を手入れする際におこなうブラッシング。
獣医師や愛猫家などの猫に詳しい人達は「絶対にやったほうがいい」と口をそろえてその必要性を説きます。
では、なぜ猫にブラッシングが必要だといわれているのでしょうか?
そこで今回は「猫にブラッシングが必要な理由」を詳しく解説します。
ブラッシングする際の手順やコツ、必要な道具もあわせて解説しますのでぜひ参考にしてください。
猫にブラッシングが必要だといわれる理由
猫にブラッシングが必要だといわれる理由を4つご紹介します。
毛玉症の防止になる
猫は「グルーミング」と呼ばれる、舌を使った毛づくろいを頻繁におこないます。
その際に抜け毛を口から体内に取り入れてしまうことで、胃や腸に毛が絡まる病気が毛玉症です。
毛玉症になると、猫は体内の毛球を排出しようと嘔吐を繰り返すようになり、それが原因で逆流性食道炎を併発するケースもあります。
重症化すると毛球を取り出すための外科手術が必要になるため、日頃からのブラッシングによる抜け毛の処理が予防として大切です。
被毛や皮膚を清潔に保てる
ブラッシングにより汚れを落とすことで、被毛や皮膚を清潔に保つことができます。
被毛の汚れをそのままにすると皮膚疾患や悪臭の原因となってしまうため、定期的なブラッシングが必要です。
ブラッシング時に被毛や皮膚の異常をみつけるケースも多々ありますので、病気の早期発見・治療という面でもおすすめです。
暑さ対策の一環になる
猫は暑さにとても弱い動物です。
そのため、ブラッシングによって通気性をよくする必要があります。
猫種のなかでもダブルコートに該当する猫は熱中症になるリスクも高いため、気温が高い夏場などはとくに注意が必要です。
飼い主とのコミュニケーションにつながる
ブラッシングは飼い主と猫がコミュニケーションを取る時間にもなります。
仕事や学校などで普段あまり愛猫と接する時間が作れないという方も多いのではないでしょうか?
ブラッシングは数分程度で終わりますので、時間がなかなか取れないという場合にも、愛猫と手軽にコミュニケーションを取る方法としておすすめです。
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猫のブラッシングをする際に必要な道具の種類
猫をブラッシングする際に必要な道具の種類は以下のとおりです。
猫によって好き嫌いがあるため、愛猫が嫌がらない道具を選ぶのがポイントです。
猫のブラッシングに使用する道具の特徴
◇スリッカー
くの字型のピンがついたブラシです。
ピンの間隔が狭いため毛が取りやすいことから、長毛種やダブルコートの猫種に向いています。
ただし、先端が鋭利な製品もあるため、猫の皮膚を傷つけないよう注意が必要です。
◇ピンブラシ
もつれた毛や絡んだ毛をほぐすのに最適な道具です。
長毛種や毛量の多い短毛種におすすめ。
先端が丸くなっている製品は猫の皮膚を傷つけることなくブラッシングできます。
◇ラバーブラシ
ゴム製のやわらかいブラシです。
抜け毛がブラシに張り付くため、毛の処理が簡単なのが特徴。
肌にあたる感覚がほかのブラシよりやわらかいため、ブラッシングを嫌がる猫にもおすすめです。
◇獣毛ブラシ
イノシシや豚の毛で作られているブラシです。
被毛についたホコリなどを取り除くのに適しています。
適度に水分と油分を含んでいるため被毛に艶が出ます。
◇コーム
金属性のクシです。
ブラッシングの最終段階で被毛を整える際に利用します。
短毛種・長毛種ともに使える道具です。
ブラッシングの適切な手順とコツとは
猫をブラッシングする際の手順とコツをそれぞれ解説します。
ブラッシングの手順
はじめに、ブラッシングは短毛種なら週に2~3回、長毛種なら毎日するのが理想です。
とくに換毛期にあたる春(3月)と秋(11月)は抜け毛の量が増加するため注意しましょう。
ただし、やり過ぎてしまうと皮膚を傷つける恐れもあるため、時間の目安は5分程度とし、力を入れず優しく撫でるようにしてあげましょう。
以下に猫をブラッシングする際の手順をご紹介します。
【ブラッシングの手順】
- 猫が落ち着くまで待つ
- 背中からお尻にかけてとく(お尻部分は優しく)
- 脇の下から足先までとく(片足を持ち上げるとやりやすい)
- 首や胸元の毛をゆっくりととく(顔に近い場所を嫌がる場合は無理をしない)
- しっぽの先に手を添えて一気にとかす(力を入れ過ぎないように注意する)
長毛種の場合は毛玉ができやすいです。
毛玉は無理やり引っ張ったりせず手先でゆっくりと割き、ほぐれたらコームやブラシで整えてあげましょう。
ブラッシングする際のコツ h3
猫をブラッシングする際は以下の点に注意するのがコツです。
- 事前にブラシに慣れさせる
- 無理やりブラッシングしない
- 猫が気持ちいいと思う箇所からはじめる
- 短時間でパパっと終わらせる
猫のなかにはブラッシング自体が嫌いな個体もいます。
そのため、事前にブラシを怖がらないよう慣れさせるのがコツです。
可能であれば、子猫期からブラシに触れさせるのがよいでしょう。
また、嫌がっているにもかかわらず無理やりブラッシングすると、噛みつきやひっかきなどの攻撃をしてくる可能性があります。
愛猫が嫌がるようなら、別日にするなどの工夫をしましょう。
定期的なブラッシングで愛猫の健康管理を徹底しましょう
ご紹介したように、ブラッシングは猫にとってさまざまなメリットがあります。
少し手間に感じるかもしれませんが、愛猫の健康管理の一環としてぜひ継続的におこなってください。
また、ブラッシング時に被毛が抜けている、皮膚がただれているなどの異常をみつけたときは、皮膚疾患の可能性があるためすみやかに動物病院で診察を受けましょう。
ブラッシングの時間は飼い主と猫とのコミュニケーションにもつながります。
愛猫が嫌がらないようであれば、スキンシップの一環として楽しみながら続けてみてください。