犬がお留守番できる時間はどれくらい?注意点と安心できる対策
犬がお留守番できる時間はどれくらいなのでしょうか。
仕事や学校などで愛犬に長時間のお留守番をさせざるを得ないご家庭は少なくありません。
しかし犬に長い時間お留守番をさせる場合には、さまざまなリスクがあるため注意が必要です。
そこで今回は、犬の「お留守番の時間」「お留守番での注意点」「安心できる対策」をご紹介します。
犬のお留守番の時間
犬は何時間くらいならお留守番をさせてもよいのでしょうか?
犬にお留守番させてもよい時間は、犬種やライフステージや体調など個体によって異なるため正しい答えはありません。
一般的には、犬が留守番できる時間は8~12時間程度が限界といわれていますが、これは留守番の訓練を済ませている犬に限られます。
ペット先進国のドイツやスウェーデンなどでは、ペットに長時間の留守番をさせることを禁じる法律が定められており、違反すると罰則を科せられるのだとか。
飼い主にはペットの命や健康を守る義務があるので、ペット先進国では長い時間留守番をさせるという行為は、動物虐待と判断されてしまうのです。
このように、国によっては虐待とされ健康を損なう恐れもあるのが長時間に及ぶ犬のお留守番です。
では、愛犬に長時間のお留守番をさせる場合、どのような点に注意しなければならないのでしょうか。
犬のお留守番での注意点
犬はお留守番の時間が長くなればなるほど、心身にさまざまなリスクが生じる可能性が高くなります。
愛犬に留守番をさせざるを得ないときは、次のような点に注意しましょう。
子犬には長時間の留守番は危険
子犬に長い時間のお留守番をさせると命にかかわることもあるため、とくに注意が必要です。
子犬の消化機能は未発達なので、生後6ヵ月程度に成長するまでの食事回数は1日に3~6回に分けてあげなければなりません。
飼い主さんの長時間の外出で食事の回数や量が不足し空腹が続くと、子犬は低血糖症を起こすことがあり非常に危険です。
また、エネルギッシュな子犬がお留守番中に暴れたりいたずらをしたりするとケガや誤飲などの事故にもつながりかねません。
さらに子犬の時期は排泄回数が多く、しつけをしっかりとする必要もありますので長時間のお留守番はさせないようにしましょう。
分離不安
犬に留守番させるときには「分離不安」にも注意しなければなりません。
犬はもともと群れで生活していたため、ひとりぼっちで過ごすことは苦手です。
そのため犬は飼い主さんの外出が多く長時間の留守番をしなければならない状況では、強い不安やストレスを抱えやすくなります。
「分離不安」とは、この不安が限界に達した犬が発症する心の病気であり、次のような問題行動を起こすことが知られています。
- 長時間、吠え続ける
- 物を壊す
- トイレ以外の場所で排泄する
- 食欲不振・下痢・嘔吐
お留守番のときに限って愛犬に上記のような行動が見られる場合、それは「分離不安」の症状かもしれません。
ただし愛犬が体調不良を起こしているケースでは他の病気なども考えられますので、速やかに獣医師の診察を受けたうえ「分離不安」についても相談してみましょう。
火災・事故の恐れ
犬はお留守番のストレス発散や退屈しのぎにいたずらをすることがあります。
そのいたずらが事故や火災などの大惨事につながる恐れもないとはいえません。
実際に、犬や猫などのペットが留守番中にIH調理器やガスコンロに飛び乗ったり、スイッチを押したりしたことが原因で火災になった例もあります。
愛犬にお留守番をさせるときは「調理器などのスイッチをロックする」「ガスの元栓を閉める」「家電品のプラグを抜く」などの安全対策も忘れずに行いましょう。
安心して犬に留守番させる対策
犬を留守番させるときの注意点についてご説明してきましたが、飼い主さんが愛犬を置いて安心して外出するためにどのような対策を行えばよいのでしょうか。
次は愛犬が「安心・安全に留守番できる対策」についてご紹介していきます。
ケージで安全な場所をつくる
ケージの中にベッドや水、トイレのほかお気に入りのおもちゃや毛布などを入れ、愛犬が居心地良く留守番できる環境をつくっておきます。
日ごろから愛犬をケージの中で眠らせたり食事などをあげたりして、そこが快適に過ごせる自分のハウスなのだと覚えさせましょう。
長時間のお留守番でも愛犬を安全なハウス(ケージ)の中に入れておくと事故防止になり、犬はストレスや不安を感じにくくなることが期待できます。
犬が快適に過ごせる温度・湿度に
ケージの中でお留守番させる場合は、暑い季節や寒い季節も愛犬が快適に過ごせるようにエアコンなどで室温調整をしましょう。
犬が快適にお留守番できる環境に大切なのは室内の温度だけではありません。
梅雨どきなど湿度が高すぎる時期は、犬の熱中症対策のため除湿も重要です。
また、犬は乾燥も苦手なので湿度が下がりすぎているときは適切に加湿をしてあげてください。
テレビやラジオをつけておく
犬は嗅覚だけではなく優れた聴覚の持ち主でもあります。
飼い主さんが在宅中はテレビやラジオをつける習慣がある場合、愛犬にお留守番をさせるときもつけておくと外部からの音にも不安を感じにくくなるかもしれません。
また、飼い主さんの帰宅が日没後になる場合は忘れずに照明も点灯しておきましょう。
留守番前にしっかり運動
愛犬にお留守番をさせる前に、長めの散歩などで運動欲求を満たしてあげましょう。
犬は運動でストレスを発散し適度な疲労を感じると、留守番中も長い時間眠って過ごすことができます。
まとめ
愛犬に安心して長い時間のお留守番をさせるには、事故を防止し快適に過ごせる環境づくりが大切です。
飼い主さんは、愛犬がストレスや不安を抱えることがなく安全にお留守番ができるように工夫や心配りをしてあげましょう。
帰宅したあとは、お利口にお留守番していた愛犬と遊んだり、たっぷりとスキンシップをとったりしてあげてくださいね。