高齢猫のケア シニア猫のための特別なケアと注意点
猫の平均寿命が延びている現代、愛猫が高齢期を迎える飼い主さんも増えています。高齢猫は体力や免疫力が低下し、「病気にかかりやすくなる」「生活の質が下がる」など、さまざまな問題が起こりやすくなります。愛猫が健やかなシニア期を過ごせるよう、年齢に応じた適切なケアを行ってあげましょう。
そこで今回は、「高齢猫に起こりやすい変化」や、「シニア猫のための特別なケア」「高齢猫との暮らしの注意点」についてご紹介します。
高齢猫に起こりやすい変化
猫は7歳頃からシニア期に入り、11歳を過ぎると高齢猫と呼ばれるようになります。高齢になると運動量や食欲が減り、若い頃のような活発さが見られなくなってきますよね。だからといって何もケアをしないでいると、愛猫の健康状態が急激に悪化してしまいます。高齢猫に起こりやすい変化とは、以下のようなものです。
・筋肉量が減り、体力が低下する
・関節が硬くなり、動きが鈍くなる
・腎臓病や心臓病など、慢性疾患のリスクが高まる
・視力や聴力が衰え、感覚が鈍くなる
・免疫力が低下し、病気にかかりやすくなる
・認知機能が低下し、行動に変化が現れる 飼い主さんは愛猫が快適なシニア期を送れるよう、適切なケアを心がけましょう。
次は、「シニア猫のための特別なケア」を見ていきましょう。
シニア猫のための特別なケア

愛猫には、高齢期もできる限り健康で快適に過ごしてもらいたいですよね。以下のような特別なケアで、愛猫の健やかなシニアライフをサポートしましょう。
食事管理
「食事管理」は、高齢猫の健康を守るための重要なケアです。シニア猫は代謝が落ち、運動量も減るため、肥満や栄養不足に注意が必要です。「食事管理」は、愛猫の年齢や健康状態に合わせたフードを選び、適量を与えることが基本。このときに使用するフードは、「シニア猫用」として栄養バランスが調整された、消化しやすい高品質なものを選んでください。「食事管理」は、以下のような手順で行いましょう。
・愛猫の年齢と健康状態に合ったシニア用フードを選ぶ
・1日の給餌量を2~3回に分けて与える
・食べ残しがあれば量を調整し、食欲の変化を観察する
・定期的に体重を測定し、適正体重を維持する
以下は、「食事管理」の注意ポイントです。
・急激なフードの切り替えは避け、1週間程度かけて徐々に変える
・新鮮な水をいつでも飲めるように、複数の場所に水飲み場を設置する
・食欲不振が続く場合は、すぐに獣医師に相談する
定期的な健康チェック
高齢猫のケアとして、「定期的な健康チェック」も重要です。シニア期の猫は病気の進行が早いため、早期発見・早期治療が何より大切ですよね。「定期的な健康チェック」には、下記のような項目をお勧めします。
・動物病院での健康診断(年2回以上)
・血液検査や尿検査による内臓機能の確認
・歯科検診と必要に応じた歯石除去
「定期的な健康チェック」は、以下のような手順で行いましょう。
・かかりつけの動物病院で定期健診の予約をする
・日頃から愛猫の様子を観察し、気になる変化をメモしておく
・健診時に獣医師へ気になる点を伝える
・検査結果を基に、必要なケアや治療について相談する
以下は、「定期的な健康チェック」の注意ポイントです。
・少しでも異変を感じたら、定期健診を待たずに受診する
・シニア猫は環境変化にストレスを感じやすいので、通院時は安心できるキャリーを使用する
・健診は午前中など、愛猫の体調が比較的安定している時間帯を選ぶ
・検査結果や診察内容は記録し、愛猫の健康管理に役立てる
快適な生活環境の整備
「快適な生活環境の整備」も、高齢猫のケアに欠かせません。高齢猫は体力や運動能力が低下するため、若い頃と同じ環境では生活しづらくなります。「快適な生活環境の整備」には、以下のような工夫があります。
・段差の解消=高い場所への上り下りが辛くなるので、ステップや踏み台を設置して移動をサポートする
・トイレの工夫=縁の低いトイレに変更し、複数の場所に設置して移動の負担を減らす
・温度管理=体温調節機能が低下するため、室温を適切に保ち、暖かい寝床を用意する 以下は、「快適な生活環境の整備」の注意ポイントです。
・愛猫が滑らないように、床にマットやカーペットを敷く
・転倒や衝突を防ぐため、家具の配置を見直し、導線を確保する
・暗い場所で動きづらくなるので、夜間は足元灯などで明るさを確保する
快適な環境を整えることで、愛猫のストレスを軽減し、安全で穏やかな生活を送れるようにしましょう。
次は、高齢猫との「暮らしの注意点」を見ていきましょう。
暮らしの注意点

大切な愛猫にはいつまでも元気でいてほしい!
以下は、そんな飼い主さんと高齢猫が幸せに暮らすための注意点です。
過度な運動は避ける
高齢猫は若い頃のように活発に動くことが難しくなるため、無理な運動は禁物です。シニア猫に激しい遊びを強要すると、関節や心臓に負担がかかり、ケガや体調不良の原因になります。愛猫のペースに合わせた穏やかな遊びを心がけ、短時間でも楽しめるコミュニケーションを大切にしましょう。
ストレスを与えない
高齢猫のケアとして、できる限りストレスを与えないことも大切です。シニア期の猫は環境の変化や騒音に敏感になり、ストレスから体調を崩しやすくなります。引っ越しや来客など避けられない変化がある場合は、愛猫が安心できる静かな場所を確保し、ゆっくり慣れさせてあげましょう。
愛情を持って寄り添う猫の高齢期ケア

高齢期を迎えた愛猫は体力や免疫力が低下し、さまざまな健康上の問題が起こりやすくなります。愛猫が安心して穏やかなシニアライフを送れるよう、年齢に応じた適切なケアと配慮を心がけましょう。愛猫の高齢期に丁寧に寄り添いながら過ごす時間は、飼い主さんにとってもかけがえのない思い出になりそうですね!