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おんたの闘病日記│第14話

<発作初期症状・放射線治療・最後の放射線治療・治療の効果>

ー2020年11月26日 投薬のミスによる発作初期症状

夕方ごろに、玄関に通じる扉に向かって突然10回ほど吠えるという出来事があった。
そして夕飯を与える前に餌皿を見ると、朝食に混ぜて入れたお薬が一粒だけ残ってしまっているのを発見した。

さらにその後、口をくちゃくちゃするような場面や敷いた布団の上を舐めるような素振りがあった。
お散歩に行く前にオムツでおしっこをしてしまっていたし、お散歩中にもヨダレを垂らしていた。
寝る前も3度ほど玄関に向かって吠えた。
これはいずれも発作の初期症状として見られるもので、不安を感じながらどうか発作の症状ではないことをただただ願った。

今夜は気が気じゃない。
何事も起きませんようにと願いながら就寝した。

その後の放射線治療

11月27日に5回目、11月30日に6回目、12月4日に7回目の放射線治療を行った。
どれもおんたは落ち着いていて、慣れた様子。
むしろ、主治医の先生に声をかけられると嬉しいようでソワソワしていた。
これまでと同じように大量のおしっこをしたが、やはり初めての発作が起こった時よりも表情が豊かになり、色々なことの状況を理解できるようになってきていて、治療の効果が出ているように思えて嬉しくなった。

以前のようにタッチをしてくれたり、発作が起きる前の光景がたくさん見られるようにもなった。

※以前のようにタッチをしてくれた

※「それ本当に寝心地いいの?」と聞きたくなる姿でのお昼寝も

ー12月7日 最後の放射線治療

いよいよ最後となる8回目の治療の日。
この日もいつも通り終え、全8回の治療は無事に終了となった。
次回の通院は1ヶ月後、再度MRIを撮る予定だ。

※8回目の治療の日

放射線治療をした部位に再度放射線を当てることはできないので、いわば今日で「手は尽くした」状態となった。
その後は腫瘍がどうなっているかによって投薬をどうするかなどを決めていく。

もちろん腫瘍が消えていたら薬の量は減らすことができるし、先生も「最初に来た時より表情が豊かになっていますし、麻酔も効きにくくなっているあたりからも治療は有効に働いていると思う」と言葉をいただけて、少し安心ができた。※腫瘍があったり脳の腫れがひどかったりすると、麻酔が効きやすく、効き過ぎてしまうことも。

何度もお世話になった先生にお礼を伝えて帰宅。
帰宅後はお互いに疲れているので「よくがんばったね」とたくさん撫でながら一緒にお昼寝した。

今後は1日中、家に誰かがいるという状態が作れない時のために、おんただけの時間を意識的に作り、徐々に以前の日常に近づけようと思う。
そこでペットカメラを注文した。
なかなかの高画質で、話しかけられる機能や、おやつを与える機能なども付いていて、長時間の外出中もおんたを観察することができるので、かなり気の持ちようが違くなった。※おやつがカメラから飛び出す仕組み

※お留守番中のおんた

その後、年末年始もゆっくりと何事もなく過ごし、おんたと新しい年を迎えることができた。

ー2021年1月7日 治療の効果の確認

ついにこの日がやってきた。
12月7日に終えた放射線治療によっておんたの腫瘍がどれくらい小さくなったのかMRIを撮って確認する日だ。
久しぶりに日本動物高度医療センターへ向かった。
お世話になった先生におんたの近況を伝え、いつものように点滴の時間を過ごした。
久しぶりでもおんたは慣れた様子でおとなしくしてくれていた。

※日本動物高度医療センターにて

MRIの撮影の前に血液検査をするのだが、その際に担当の先生から「ヘマトクリットの数値が低い」と指摘を受けた。
ヘマトクリットとは血液中に占める赤血球の体積の割合を示す数値だ。
おんたは少しだけ貧血状態にあるそうで、念のためにCTをとることになった。

MRIとCTで合わせて待つこと1時間15分ほど。
麻酔でウトウトしたおんたが、看護師さんに連れられてやってきた。
ひとまずは術後の点滴を1時間ほど受けた。
その後診察室に通され、MRIの結果を見ることになった。

※検査後のおんた

MRIとはT1強調画像・T2強調画像の2種類をセットで撮影する。
腫瘍が黒っぽく見えるのがT1、白っぽく見えるのがT2で、10月末に撮影したものと見比べるとT1の方は明らかに腫瘍が小さく、ほぼ見えないほどになっていた。

しかし、T2の方では腫瘍があった部分に白い影が残っていた。
大きさは前回よりも小さくはなっていたし、10月末に撮影したものでは明らかに脳内が圧迫されていたが、そういった様子も無くなってはいた。
担当の先生いわく「炎症などがまだ残っている可能性があるので、それが映っているのかもしれない」とのことだった。

※先生の話を真剣に聞くおんた

2ヶ月後にまた経過観察でMRIを撮ることになった。
そして、一日2錠飲ませていたプレドニゾロンというステロイドを、これからは半分の1錠にすることになった。

ステロイドは筋力の低下や皮膚が薄くなってしまうなどの副作用もあり、おんたも顔がかなり骨張ってしまっていたので、ステロイドを減らせるのはとても喜ばしいことだった。

少し痩せてしまったのでご飯などを多めにあげても良いかと尋ねると「体重が増えてしまってはいけないので、体重管理の元、調整してください」とのことだった。
腫瘍に関しては確実に良い方向に進んでいそうだ。
ただ、白っぽい影の正体がまだわからないので注意が必要。

病室を後にした瞬間、やはり点滴の影響でオムツの中に大量のおしっこをしていた。
おむつを処理し、履き替えさせ帰宅した。
帰宅後もいつも通り落ち着いてくれていた。

続く

おんたのパパ&トロンボーン奏者
小池隼人

おんた
PROFILE

おんた

2007年7月31日生まれ
犬種:フレンチブルドッグ/年齢:15歳

トロンボーン奏者である小池隼人さんと共に暮らす。お気に入りのおもちゃはカモのぬいぐるみ。苦手なことはお風呂に入ること。2020年10月に脳腫瘍と診断を受けて、現在闘病中。

編集長むーinterview Vol.01
[トロンボーン奏者・小池隼人さんと愛犬おんたくん]

<前編>
https://levees-u.com/specialcontents/3525/

<後編>
https://levees-u.com/specialcontents/3516/