おんたの闘病日記│第9話
<放射線治療の説明>
―2020年11月5日
今日は、予約していた日本動物高度医療センター(JARMeC)を受診。放射線治療のための検査と説明を受けに行った。
9:20に受付し、15:00には検査が終了。その後、説明を受けた。
腫瘍専門の先生の説明によると、おんたは脳の梨状葉(りじょうよう)という位置に腫瘍があるらしく、放射線治療が有効に作用する部分とのこと。
実際に以前治療したという11歳のフレンチブルドッグの子の放射線治療後の写真を見せてもらうと、腫瘍は綺麗に消えていた。
※一緒に説明を受けるおんた
治療は全て通院で、ペースは3パターンから選べる。
- 週に1回、合計6回(期間:6週間)
- 週に2回、合計8回(期間:4週間)
- 週に3回、合計12回(期間:4週間)
CTを撮影して、放射線治療を行う際に頭を固定しておくための器具を作成した後、最短翌々日から治療開始できるとのことだった。
治療後は最低限の薬の服用だけで済むそう。また、定期的にMRIを撮って経過観察をすることになるけれど、基本的には普段通りの生活ができるようになるとのこと。
今は後ろ足がおぼつかなくなったり、目が見えていない様子だったり、お座りなどができなくなっているけれど、これらが腫瘍の影響によるものであれば治っていくだろうとのことだった。
おんたは11歳10カ月の時に軟口蓋の切除と鼻の穴を広げる手術を受けていて、呼吸がしやすくなっているため、麻酔による負担はそれほど大きくないとのこと。
そして検査の結果、治療に耐えうる体力も問題なさそうという話だった。
何もしなければ2〜3カ月の命かもしれないが、放射線治療をすれば、もし再発したとしても1年以上は生きるだろうという説明も受けた。
「ただの延命治療ではなく、普段通りの生活を取り戻して、さらに長生きできるなら」と放射線治療に前向きになれた。
※検査から帰宅して疲れている様子のおんた
<治療をする決心>
―2020年11月6日
昨日、日本動物高度医療センターで受けた説明を知人の獣医や友人、家族などに話した。
みんな背中を押してくれたので、放射線治療をする決心がついた。
費用などのことは後から考えればいい。ただただ救いたいという一心だった。
週に1回のペースでも腫瘍は十分に消える大きさだそう。
けれど、再発リスクのことも考えて週2回のペースで治療をすることにした。
おんたはというと、11月1日(お薬を増やした日)から発作が起こっていないので、脳の腫れが収まってきて、今までの日常生活を少し思い出してきたのかもしれない。
お散歩は「おやつのシャカシャカ作戦(※闘病日記│第8話参照)」を使わないでも結構歩いてくれるようになった。
ごはんをあげる前に「お座り」と言ったら、今まで通りのお座りができた。
夜は布団を前足で掘るという元気な姿も見せてくれた。
自分の足で耳を掻くこともでき、僕の顔を舐めてきたりもした。
どれも発作が起きてからはしなくなっていた、おんたと僕の日常だ。
発作が起きてからは、正直何もかも忘れてしまったのかと寂しい気持ちがあった。けれど今は少しずつ思い出してくれているのか、それとも1から覚え直しているのか、どちらにしてもおんたに起きている変化が嬉しくて仕方ない。
これからも注意深く観察して、些細なことにも気付いてあげたい。
とにかく、元気でいて欲しい。
※今まで通りお散歩できるようになってきたおんた
続く。
おんたのパパ&トロンボーン奏者
小池隼人
おんた
2007年7月31日生まれ
犬種:フレンチブルドッグ/年齢:13歳
【interview Vol.01】
似た者同士のふたり。トロンボーン奏者小池隼人と愛犬おんたの13年
<前編>
https://levees-u.com/specialcontents/3525/
<後編>
https://levees-u.com/specialcontents/3516/