おんたの闘病日記│第6話
<早朝に立て続けの発作>
― 2020年10月30日
深夜3:20頃、おんたの寝ている部屋から物音がして目が覚めた。
急いでおんたの部屋へ行くと、発作はすでに収まった後で、横たわっている状態だった。近くで声かけをしながら体を撫でていると、起き上がって部屋中を歩き回り始めた。
昨日と同様、目が見えていない様子で放っておくと部屋の壁や家具などあちこちに頭をぶつけてしまう。おんたの先回りをし、ぶつからないように保護をしながら見守った。1時間ほどすると落ち着いて再び就寝したため、自分も部屋に戻ってもう一度眠った。
7:40頃、再度発作が起こった。
先程の発作からわずか4時間程度しか経っていない。発作後は前回と同じく周りが見えていない様子だった。普段だったら決して行かないような方向へ進もうとして、部屋の壁に頭をぶつけてしまったりした。
この日は長野県で本番のライブがある日。
10時には車で会場へ向けて出発する予定だったが、おんたの発作の頻度や様子から考えると少しでも早く病院に行く必要があると判断し、メンバーに事情を説明して自分は寝坊した設定にしてもらい、電車で会場入りさせてもらうことにした。
―「もう覚悟をしておいた方がいい」
朝イチで再度かかりつけ医に相談しに病院へ。
壁に頭をぶつけてしまう映像を見せると、「思いのほか進行してしまっているのかもしれない。MRI検査を早めた方が良い」と進言された。
すぐに近所に住む妹に連絡をし、自分の代わりにおんたを検査へ連れてもらえるようお願いをして、11月2日だったMRI検査の日取りを明日31日に早めてもらうことにした。妹一人での大役、とても大変だが頑張ってもらうことに。
かかりつけ医からは「もう覚悟をしておいた方が良いかもしれません」とも言われた。
病院は待合室が広くないので、外のベンチで会計待ちをする。
でも、どうしても涙が止まらず、病院から離れたところにある電柱に隠れて涙を拭き続けた。
また発作止めであるゾニサミドの量を、1回半錠から1回の服用につき4分の3錠に増やすように指示をもらった。病院から帰宅する頃には、ライブで留守の間ペットシッターをする予定だった妹も駆けつけてくれていた。
電車の時間も迫っていたため出かける準備をするが、油断すると涙が止まらなくなってしまう。ここで不甲斐ない演奏をしてしまったら、おんたのせいになってしまうと思い、家を後にして会場へ。
― 離れている間にも発作が起きる
13:50頃、おんたに発作が起きたと妹から連絡があった。
床で寝ていたところ、急に飛び起きて数歩歩いたのち、苦しそうに泡を吹いて倒れ、硬直した様子もあったとのこと。
あらかじめ対処方法を伝えていたので、落ち着いて対処ができ、座薬も使ってくれたそうだ。こういった時は女性の方が強いのかもしれない。おんたにずっと連れ添ってきた自分が、本人のピンチの時にどうすることもできず、歯痒かった。
演奏会場に着くとバタバタと準備をし、あっという間に本番。
とにかく不甲斐ないライブはできない、その一心だった。
夜、おんたは落ち着いていると連絡をもらい、ほんの少しだけ安心してホテルで就寝した。ここ数日は寝不足が続いていたので、あっという間に寝てしまった。
※妹が撮ってくれた「落ち着いて寝ているおんた」
続く。
おんたのパパ&トロンボーン奏者
小池隼人
おんた
2007年7月31日生まれ
犬種:フレンチブルドッグ/年齢:13歳
【interview Vol.01】
似た者同士のふたり。トロンボーン奏者小池隼人と愛犬おんたの13年
<前編>
https://levees-u.com/specialcontents/3525/
<後編>
https://levees-u.com/specialcontents/3516/