おんたの闘病日記│第5話
<3回目の発作>
― 2020年10月29日
朝6:00頃、一緒に寝ているおんたの呼吸が荒いことに気付いて目が覚め、お水を飲ませて一度は落ち着いたけれど、10分後くらいに発作が起きてしまった。
我が家は、高さ20cmのマットレスの上に布団を敷いて寝ていて、おんたも同じ布団で寝ていた。
しかし、発作が起こりおんたは布団から床へ転落してしまった。頭を打ちつけてしまう二次災害が発生してしまったのではないかと不安になる。
狭いところに転落したため、さらに壁や物の角などに頭をぶつけないようにするため何か緩衝材になるものを探し、急いでおんたの頭の下にスウェットを入れた。
そして声をかけ、体をさすった。辛そうな姿に胸が痛くなる。痙攣自体は2分ほどで収まりその後、前後不覚(意識はあるが何が何だかわかっていない状態)が1分ほどあった。
その後は室内をうろうろと歩き回り、どうやら目が見えていないようで普段はぶつからない壁などにぶつかってしまう。
落ち着くまでおんたの先回りをして、障害物から守った。ようやく落ち着いた頃には、もう外は明るくなっていた。少しだけ体を休めて、今日はかかりつけの動物病院へ行く。
― MRI検査を予約
かかりつけの動物病院の先生に、早朝に発作が起きたことを説明すると、ただのてんかん発作ではないかもしれない、脳腫瘍や脳炎の疑いがあるかもしれないということでMRI検査を勧められたため予約を取った。
自分の仕事のスケジュールの兼ね合いもあり11月2日で予約。
もし脳腫瘍だった場合は、2〜3ヶ月ほどの余命かもしれないと説明をされた。
今日はひとまずMRI検査に必要なレントゲンを撮影し、その間は診察室の前で待っているのだが、診察室内で「はい、頑張ろうね」と声をかけられているおんたを見て、涙が出てきてしまう。
キャップを深く被り、マスクをできるだけ目元まで引っ張り上げたが、隠しきれなかった。
レントゲンの結果は異常なく、MRI検査も受けられることになった。そして発作止めを処方してもらい今日から飲ませることになった。
ゾニサミドを1日2回、1回半錠。
帰りがけにジョイントマットを購入し、自宅の床に敷き詰めた。発作が起きて倒れても頭を打ちつけなくて済むようにという対策である。
― おんたがやりたいと思うことをさせてあげたい
帰宅後、少し休んでいると、おんたはいつものようにお散歩に行きたい様子だったので外に連れて行くことにした。
お散歩ルートには、いつもおんたが入りたがるけれど寄ることのないカフェがある。おんたは今日もそこに入りたがった。
「もし本当に先が短いのなら、できるだけしたいことをさせてあげたい」
だから今日はカフェに入店。おんたはソワソワしつつもお行儀よく過ごしてくれた。退店後も、猛ダッシュでいつものお散歩の続き。
彼が病魔にむしばまれているなんて、全く想像できない。
今朝と同じようにベッドから落ちてしまってはいけないので、今日はおんたが寝ている部屋と自分が寝ている部屋のドアを開け、何かあったら物音で気づける状態で別々に寝ることにした。
おんたをいつものベッドに寝かしつけ、寝息を立てたのを確認して自室で眠った。
※はじめて入ったカフェにて
続く。
おんたのパパ&トロンボーン奏者
小池隼人
おんた
2007年7月31日生まれ
犬種:フレンチブルドッグ/年齢:13歳
【interview Vol.01】
似た者同士のふたり。トロンボーン奏者小池隼人と愛犬おんたの13年
<前編>
https://levees-u.com/specialcontents/3525/
<後編>
https://levees-u.com/specialcontents/3516/