出会いは泥だらけ…?花屋看板犬プーと家族の幸せ【interview Vol.05】
<後編>
ペットブームの裏で飼育放棄などのニュースが報じられる昨今、「ペットとの暮らしをおすすめしますか?」という問いに花匠店主である宗さんはなんと答えるのでしょうか。看板犬プーちゃんの他にも自宅で2匹のわんちゃんと暮らす愛犬家だからこその答えや、犬と一緒に暮らす幸せについてお聞きしました。
▼前編はこちらから
出会いは泥だらけ…?花屋看板犬プーと家族の幸せ【interview Vol.05】
笑顔の輪の中心
―もともとわんちゃんは好きですか?
子供の時は柴犬とゴールデンレトリバーと生活していて、犬はずっと好きでした。今は実家を出て暮らしているんですけど、そこでもミニチュアピンシャーとチワワのミックスのジョージくんと、チワワのニケちゃんと一緒に暮らしています。それだけ犬が好きですし、犬がいない生活はちょっと…考えられませんね。
プーはたまに小さい子供みたいな行動をすることがあって、そういうところも可愛いくて癒されるなって思います。
例えばこの子がよくお袋にやるのが、足の間に顔をうずめて甘える行動!2,3歳の子供と同じようなことをやるんですよ。それをするとみんな可愛いっていうけん、そうやって言われるのが分かってるんじゃないかとも思いますね(笑)。そういうあざといことをしちゃうのとか、たまにツンデレなところとかも愛おしいです。
―プーちゃんはわんちゃん同士でも仲良くしますか?
この子が遊びたくて「わー!」と行くから、それにびっくりしてだめなわんちゃんはいますけど、基本的にどの犬でも仲良くやっています。
ただうちの家で飼っている2匹とはお互い結構無反応で。喧嘩したり吠えたりはないんですけどね。犬にもきっと相性があるんだなと思うと、不思議ですよね。
―旅行や遊びに行ったりはしますか?
2020年の正月は、熊本に親父たちとプーを連れて日帰りで温泉にいきました。
旅行先に走れる場所があったので走らせてあげて、みんなでリフレッシュしました。
旅行に行くとなると移動中とか結構離れることになってしまうので、常に一緒にいたいです。やっぱり離れると心配になるので。
だからバスとかご飯食べる時とか、常に一緒にいられたらいいなと思います。プーは特に広い場所で走り回るのが好きなので、リードをつけずに思い切り走れるような場所があったら嬉しいです。
―今は大人しくしてくれていますけど、走り回るのが好きなんですね!
そうですね!走るのもボール遊びすきやね、ね?プーちゃん?
基本は苦手なものはなく、何でも楽しんでくれます。前に飼っていたゴールデンは雷とかダメやったけど、プーは全くそういうのはない。本当にお利口すぎる子です。
あっでもお袋のことが大好きすぎて、顔を見たら嬉しくて大暴れするかな(笑)。大人しいっていう言葉とは随分かけ離れるほどぴょんぴょん跳ねて、全身で喜びを表現してます。
“当たり前”、でも、“大切な存在”
―もしプーちゃんと話せたら何を話しますか?
なんやろう…やっぱり「なんであそこにいたの?」っていうのは聞いてみたいかな。
今は大丈夫なんですけど、最初は男性が苦手だったんですよ。親父が「コラ!」っていったらキャンって鳴いたりとか。もしかしたら男性に対してトラウマがあるのかなとか思って。
なんで泥だらけやったの?とか。どこで生まれたの?とか。出会う前のことは何も分からないので、気になりますね。
―犬との生活を人におすすめしますか?
飼うのはおすすめするけど、日本は簡単に飼いすぎるかなって。もうちょっと何か決まり事とかあれば…うーん、でも犬のいる生活はいいです。犬がいないとだめだなあ。
僕の親戚のおばさんがレオンベルガーという体の大きな種類の犬を3匹飼っているですけど、飼う前には庭の敷地の面積を調べられたりとかして。
「ちゃんと十分な運動はさせてあげられるのか」というのを事前にチェックされて、それをクリアしないと飼えなかったらしいんですけど、それくらい厳しくてもいいんじゃないかなって。あくまでも僕個人の考えですけどね。例えば、犬と関われる時間がどれくらい確保できるのかとか。
あと飼いたいっていう人がいて、もし興味があれば保護団体とかぜひ利用してみて欲しいと思います。もちろんペットショップがダメというわけではないんですけど、悲しい思いをする動物が減るってなったらみんな嬉しいじゃないですか?
―そうですね、幸せに動物たちと共存出来ればいいですよね。
本当にそう思います。保護団体など全然詳しくはないですけど、家族と一緒に虐待などのニュースを知った時、悲しい気持ちになりますね。税金もそういう協力費に注げるように選べたらいいのにって思います。
お話をしている途中でお母様がお店に顔を出してくださいました!
…すると聞いていた通り、プーちゃん大喜び!
―本当にお母さんっ子なんですね。
プーはもうとにかくおかんじゃないとだめなんです。よかったね、プー。お袋帰ってきて!
1回お袋が入院した時があって、その時は毎日のようにベランダでずっと待ってるんです。お袋が少しの間出掛ける時も玄関の前でずっと待っている。ハチ公みたいです。
―あれ?もう1匹わんちゃんがいらっしゃるんですね。(お母様と一緒にいらした宗さんのお姉さんが連れてきてくださいました)
そうなんです。この子はモジャって言います。16歳でミニチュアシュナウザーの女の子です。
実は1年ほど前に脳梗塞になって、今はほとんど動くことは出来なくて…。移動するってなったらこうして抱っこして連れていってあげています。
モジャちゃんをそっと抱き抱えて、優しく微笑む宗さんのお姉さん。「笑ってるね」「可愛いね」とみんなから声をかけてもらってモジャちゃんも嬉しそうでした。
脳梗塞になってからはほとんど寝たきりの生活なので、食事は全て手であげています。排泄も自分でするのは難しいのでおむつを履いてもらっているんです。体調が悪化したりご飯を食べなくなったら、その都度病院に連れていって、今はとにかく家族でいられる時間を大切にしています。
プーもですけど、モジャもお袋のことが大好きですから。みんなで一緒にいる姿を見ると僕も安心します。
お母さんが来て安心したのか床にごろんとするプーちゃん、その姿がとても可愛かったです。
―プーちゃんは最初男の人を怖がっていたとおっしゃっていましたが、そういう理由もあって女性であるお母様のことが好きなんでしょうか?
「もう捨てられたくない」っていうのがあるのかもしれませんね。
(プーちゃんがお母様に飛びつく姿を見て)いや、こりゃもう溺愛やね。ただただ好きなんやろうと思いますね、改めて見ると(笑)。
でも好きなのはプーだけじゃなくて、お袋もプーの存在に救われたと思いますね。ちょうどプーがうちに来た時、実はその時飼っていたゴールデンレトリバーがガンで余命宣告されていたんです。
うちの中もなんとなく悲しいムードというか、ちょっとどんよりとしていて。それをプーの元気さが吹き飛ばしてくれた感じはあります。
その後ゴールデンの子は亡くなっちゃったんですけど、亡くなった時にやっぱこの子がおったけんお袋は救われたかなって思います。プーはお袋大好きでずっと「お母さん!お母さん!」ってするから、心の隙間を埋めてくれたんじゃないかなって。
お袋だけじゃなくて、きっと動物ってそういう存在なんだと思います。だから僕は犬がいない暮らしは考えられないですし、これから何があっても大切にしていきたいなと思っています。
後編インタビューを終えて
みなさま、ご無沙汰しております。
編集長むーのパパです。久しぶりに後書きをさせていただきますね。
今回の飼い主の慎太郎くん。僕の学生時代の親友なんです。
また身内?となるかもしれませんが、しっかりとした理由があるんです。
学生時代に慎太郎の家にいくと、ゴールデンと暮らしていて、
『綺麗な毛並みの大型犬、洋風の家、美人なお母さんとお姉ちゃんを囲む渋いお父さん。そして、そんな中に居るオシャレな慎太郎』
もうね、映画のワンシーンですよ。ど田舎に住んでいた僕としては衝撃を受けましたね。
それで、Leveesを始めたときには必ず福岡までインタビューに行こうと考えていました。まぁ当時からの友人に会えますしね。そんな感じでインタビューは始まります。
記事を読んでいただければ動物を大切にしていることはわかると思いますが、今回は家族の大切な時間にLeveesが立ち会えた気がしています。奇跡のド真ん中を見れた感覚です。
慎太郎のご家族のお花屋さん『花匠』へお邪魔して、慎太郎とそのご家族に久しぶりの再会。そして、恥ずかしそうに登場するプー。
人見知りなプーは見ているだけで勝手にニヤけてしまうほど可愛いんです。
そしてお母さんのご帰宅。
慎太郎が落ち込むくらいの喜びの差。テンション爆上がり。
小学生の子供が「わーーー!!!」と叫びながらママに抱きつきに走って、喜んでるのと全く同じですね。
急に慎太郎は一人ぼっちになっていました(笑)
その後、慎太郎が「実はね、もう一匹おるっちゃんね」(博多弁)と行って奥へ案内してくれました。すると、脳梗塞になってしまっているモジャがいました。でも、モジャはしっかりと挨拶をするように、普段はなかなか動かないまぶたを動かしたりと、僕たちを受け入れてくれました。ガンガン動くことが出来なくても、めちゃくちゃ可愛いんです。
モジャは慎太郎のお姉ちゃんの子みたいで、最近は元気がなかったとのこと。でも、みんなが奥で楽しんでいるのを聞いていたんでしょうね。お姉ちゃんに抱っこされてインタビューしていたフロアに登場してからは、ご家族みんながとても驚くくらい「あたしもいるよ!」って感じで目や鼻、ほんの少し口を動かしていました。
「こんな元気なのは珍しい」とのことで貴重なモジャに会うことが出来ました。
そのタイミングでお母さんがこのまま家族写真が欲しい!と言ってくれたので、最後に記念撮影をし、インタビューは終了。
本当に素敵な時間で、プーもモジャも慎太郎もとても喜んでくれました。僕らはもっと嬉しかったんですけどね。
翌日東京に五日後、編集作業中に慎太郎から電話が鳴り、「モジャが天国へいったよ。あんときみんなで写真撮ってもらえて本当よかった」と連絡が入りました。
この文章を書いているだけで涙が出そうですが、Leveesは奇跡のような時間を過ごすことが出来たんだなと。今頃、虹の橋で元気に走り回ってお腹いっぱいご飯を食べているモジャに感謝です。
今回はプーのインタビューだったんですが、奇跡のW主演となりました。
モジャ、プー、慎太郎、慎太郎のお母さんとお姉ちゃん。Leveesに素敵な時間をありがとうございました。
動物たちに、今よりもっと優しい世界が訪れますように。
僕らはどんどんLeveesを育てていきます。
これからもよろしくお願いします。
次回のインタビューもどうぞ楽しんでくださいね。
▼interview番外編
福岡支部スタッフ秋田犬ハナちゃんに会いに行ってきました
編集長むーのパパより
花匠店主
宗慎太郎/Shintaro Sou
1983年7月5日
福岡県生まれ
花匠HP:
http://hanasho1985.jp/
花匠Instagram:
https://www.instagram.com/hanasho_1985/